仁淀ブルーをさがして【前編】
今日から3日間は、ちょっとだけ時間を戻して夏のお話を。
GENICさんの新しい企画で、日本各地の良さを発見する「 #GENIC_LOCALS 」の一環として、高知へ取材旅に行きました。
台風の迫る高知で、果たして仁淀ブルーは見られるのか?珍道中のはじまり、はじまり。
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大人になるに連れて、夏がちょっとずつ苦手になってきた。
苦手、というよりは、「疎遠になっていった」というほうが近いかもしれない。
海にも行かず、山にも行かず、家と会社の往復で終わる夏もあった。首筋に伝わる、ファンデーション混じりの嫌な汗をぬぐって満員電車に乗りこむ。冷房の効いたオフィスで、肌寒くなってカーデガンを羽織る。ガラス1枚へだてた外の世界はあんなに太陽が照ってるのに、私は冷えた指先でキーボードを叩いている。
大人の夏ってのは、そんなもんだ。そうあるべきだ。だってみんなそうしてるもの。
だけど本音をいうと、ちょっと寂しい。無邪気にセミ捕りをしてたあの夏や、好きな人の前で水着を着るかどうか真剣に悩んでいたあの夏が。大人にも、夏がほしい。新しい夏の思い出がほしい。
そんなことを考えていた矢先、GENICさんから声をかけていただき、高知の旅へ行くことに。いっしょに行くのは、去年私を富士山へと連れ出してくれたきっちゃん。
今回の旅には、ひとつの目的がある。それは、「仁淀(によど)ブルー」をこの目で見に行くこと。
高知には仁淀川という川があり、その青さと言えば「まるでインクを注ぎ込んだよう」とも表現される。その水質は日本一美しいとも言われている。これは見なくては。
飛行機で行くほうが早いけれど、これは大人の夏休み。せかせかしてちゃいけない。そんなわけで、列車を乗り継ぎ高知まで向かうことにした。
新幹線で岡山まで向かい、そこから特急列車「南風(なんぷう)」へ乗り換え。なんだかレミオロメンが聴きたくなっちゃう字面。
瀬戸内の海はからりと明るくて、眺めてるだけでふわふわした気持ちになります。いいことが起こりそうな天気。
海が見えるたび、「海だよ!!」と声をかけ合うのが楽しい。
はしゃいでいたら案外すぐに着いてしまった。
さて、はじめまして高知。
仁淀ブルーをめぐるのは1日じっくり時間をかけたいので、初日は市内をまわることにします。
まずは植物園へ。「食虫植物が好き」と楽しそうに話すきっちゃんを見て、(へぇ、意外と虫食べるところとか好きなんだ…意外……)と思っていたけれど、よくよく聞いていたら、ぽてっとかわいいフォルムが好きなだけで、虫を食てる様子には一切興味がないとのことだった。ちょっと安心した。
植物だけでなく、建築にもこだわりのある植物園。なにやら東南アジア?アマゾン?の空気をまとった温室がよかった。
お次は、気になる雑貨屋さんめぐりへ。
1軒目は、藁工ミュージアムの併設ショップ。藁工ミュージアムは、かつて藁を保管していた藁工倉庫をリノベーションした施設。昔倉庫だった場所のリノベって、それだけで好物です。すき。
ひとクセあるデザインが集まっていてかわいい。
2軒目は、uf(ウフ)。
ところ狭しと並ぶ雑貨たちの中から、宝探し感覚でお気に入りを探します。
ファブリックや布雑貨もたくさんあって、見てるだけで楽しくなる。手芸ができる人ならきっともっと楽しいはず。
3軒目は、海花 布土木(はな ふどき)というお店。ハンドメイドの服や食器が並びます。
旅先で買った雑貨は、帰ったあとも部屋の一角に旅のにおいを残し続けてくれるから好き。
いっぱい歩いてお腹もすいた。高知といえばやっぱりお魚!食べねばなりません。向かったのは「大吉」という居酒屋。
カツオの塩たたきはもう絶品のひとこと。シンプルな味の美味しさに気づけるようになってきたことを思うと、大人になるのも悪くないよね?
店員さんにおすすめを伺ったところ、「ウツボがおいしいですよ」とのこと。ウツボとな……!頭の中で海の魔女アースラが歌い始めたけれど、かき消して注文してみる。
初めて食べるウツボは、思ったよりもふわふわとやさしい味だった。ニュルッとしてるかと思ったけど、ぜんぜんそんなことはなかった。
さて、夜も更けてきたのでホテルへ。今回の宿は、「かんぽの宿」です。
なんと仁淀川のすぐ隣に立っています。今までなんとなく真面目そうなイメージ(?)があったのだけど、いざお部屋に入ると良い意味でそのイメージは裏切られました。ウツボにつづき2回目の驚き。
ベッドなので楽だし、トイレとは別にきちんと洗面スペースがあるのも女ふたり旅にはありがたい。
いちばん嬉しいのは温泉があること!お風呂につかりながらどうでもいい話をする時間が好きです。
(明日のnoteへつづきます)
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今回の高知旅は、かんぽの宿とGENICの提供でお送りいたします!