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「光と色」を自分でコントロールする。フォトコーディネートセミナーのイベントメモ 〜後編〜
前編はこちらから。
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では、続きです。
・フロー⑥ ポージング
前半と後半で、指示の内容を変えた。
・前半:同じ空間にいるにも関わらず、まるでお互いがいないかのように
・後半:じゃっかんお互いの存在を感じられるくらいに
基本的にはモデルさんに自由にポージングしてもらうけど、あまり自由すぎるとモデルさんも困ってしまうため、「こういう世界観にしたい」という旨は伝えている。
Grit pic.twitter.com/5TNT9nVf2c
— 鈴木悠介 | monocolors (@monocolors_) January 30, 2019
こういう写真はストップモーション(止めてポーズを決めている)と思われるかもしれないけれど、じつはそうじゃない。実際には、モデルさんたちには動いてもらっている。動いている最中を切り取っている。
狙った動きを撮りつつ、計算された範囲内での偶然性を狙っていきます。ぱきっとキメたポーズではなく、あくまでナチュラルに、自然体に。
・フロー⑦ いざ、撮影
撮影がはじまると、どれだけ綿密にイメージを練っていても「あれ、思ってたんと違う」ということは往往にしてある。
そこの擦り合わせが大切。ケースバイケースだけど。
ちなみに。ふだんの撮影でも、案外テストカットでさくっと撮った写真のほうがいいケースが割とある。そういうときは、直感を素直に大事にすることがおすすめ!実際に撮影の現場で「こっちがいい」と思った直感を信じる。なぜなら、直感は、今まで膨大に吸収してきた情報の蓄積から生まれるものだから。
だから、現場での「好き」と思った感覚を信じてあげよう!
実際の撮影に入ったら、冷静な目で光と影、色を見極めよう。
光に合わせて、ピントをあえてボカしたり、シャッタースピードを遅くしてブレさせたりすることもある。それもコーディネートの一部。
ちなみに・・・一概には言えないのでケースバイケースだけど、一例として。フォトコーディネートの観点でいうと、粒子の荒さやボケ感のあるフィルム写真は、光もざっくりした感じ。だから味がある。フィルム写真のような雰囲気を出そうとしたときに、粒子乗せまくりで色もレトロなのに、ピントがバチバチに合っていると違和感がある。この感覚が、フォトコーディネート。
・フロー⑧ レタッチ
レタッチする前に、まずはレタッチのポイントを見極める。
被写体の表情と西日のイメージを両立させるのが今回の狙い。モデルさんの輪郭がはっきりするよう、Lightroomでシャドウ調整、Photoshopで覆い焼きツールを使用。
今回のレタッチでは、全体的に清涼感を足してゆき、完成させました。
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・応用編
こちらの写真は、定常光のライトと赤のフィルム・濃紺のフィルムを使用しています。スモークを焚いてるように見えるのは、加湿器のおかげです。
こんなことも考えて撮ってます
・直線の中に曲線を入れる
・単調な色合いの写真の中に、プリズムなどワンポイント足す
以上、セミナーでした!
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・質疑応答
Q:コーディネートのフローの中で、構図の想定はしないのですか?
A:クライアントワークのときは、きっちり構図まで決めてかかります。作品撮りのときは、あえてかっちり決めすぎずにその場で楽しむ。作品撮りには答えがないから。
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