初めに無があった。エンジニアもデザイナーもなく、新入社員は社用wikiを作ることにした。
光あれ。
……
自己紹介記事でも書いたように、弊社にはweb周りのことを専任としている社員が私以外に誰もいない。
社員のほとんどは営業職で、自分の足と言葉でお金を稼いでくるタフな方々ばかりである。
パソコンを扱うことに関しての習熟度も人によってまちまちで、基本的に社内の情報はほとんど紙と口頭で回ってくる。就業規則なんかもファイリングされた分厚い紙の束の形で本棚に収まっている状態だ。
紙文化の何が困るかというと、
・情報の共有が難しい
・最新情報へのアクセスが難しい
この2点に尽きると思う。
まず、紙で印刷してファイリングした情報は、当然だが誰かが読んでいるときに他の誰かが読むことができない。仮に同じ日に入社した人が複数人いたとして、同時に社内ルールや過去の資料を確認させようと思ったら、同じ資料を人数分印刷しなければならないのだ。
印刷コストが嵩むし、保管するにも場所を食うし、社外秘の情報を物理的に紛失されることはインシデントにもつながりうる。
そうして紙で印刷した情報は、内容の更新をするのにもコストがかかる。たった一箇所の変更でも大量のインクと用紙を消費して刷り直し、社員に配ったりファイリングし直したり……といった事務的な作業に費やす工数が大量に発生する。
更に、せっかくそうやって更新した情報も、ファイルの中にしまいこんだままだと人目に触れる機会も少なく、そこにあったことを忘れ去られてしまい「あの資料どこ?」なんて聞く人が現れる頃にはオフィスの藻屑となっている、なんてことも発生しがちである。
そこで、IT企業出身の第二新卒は腹を括ることにした。
この会社に社用wikiを導入しようと。
光あれ、と。
社用wikiがあると何が嬉しいか
社用wikiとは、社内にある情報や知識を蓄積し、共有するためのツールのことである。
社内wikiを導入する事で、様々な部署や社員が持っている知識・情報・ノウハウを一箇所に集約して共有し、業務効率化をはかることができる。
その辺に散らばってる営業さんの提案資料も、本棚の隅で埃をかぶっている社内ルールも、全て一箇所に集約して更新を呼びかけることにより、
・いつでも何人でも同時にアクセスできる
・常に正であり、最新の情報にアクセスできる
という環境を担保することができるようになる。
社用wikiツールの検討
導入に際し、複数のツールを検討した。
候補に上がったのは
・esa
・Qiita.team
・Confulence
の3つ。
esaは「情報を育てながら書き進めていく」というコンセプトが好印象だった。何もかも整備されていない混沌の中から一つ一つ情報を整えていく、という段階においてその使い方は適したものであるように思われた。
しかし他の社員とも話し合い、社用wikiを編集できる権限を付与するのは一旦管理部の数名だけにしよう、その間に親項目などを整えて「みんなが書くための型作り」をしよう。という流れになったので、みんなでワーッと育てながら書くイメージではなさそうだということになり採用は見送ることになった。
Qiita.teamは知人のエンジニア(他社)からプッシュされていて気になっていた。確かにエンジニアにとっては使いやすそうなツールだと思う。マークダウン対応してるし、エンジニア向けAPI豊富だし。
でもそもそも弊社にはエンジニアが皆無なのでこちらも見送り。
最後に、Confulenceだが、「情報検索がしやすい」「階層構造で情報を整理できる」という2点において使いやすそうだと感じた。添付ファイルの中まで検索でき、画像や動画ファイルもアップロードできるので、とりあえず大変混沌とした弊社の情報をグワーッと上げてイヤーッと整備していく際にもよさそうだった。親項目を整備する際に、ドラッグ&ドロップで記事の階層構造をいじれるのも便利である。見た目もwikipediaのようで親しみやすく理解しやすい。
以上の検討結果を踏まえて、一旦弊社では私主導でconfulenceに情報を集約していく動きが始まったのであった。(大丈夫かなあ)
社用wikiを社内に導入するまでの流れ
社長も交えて話し合い、社用wikiを整備していく上でいくつか段階を踏むことにした。
・まずは管理部のみで、親記事をカテゴリとして整備していく。カテゴリとなる親項目は一度定めたら原則変更を加えず、その下に子や孫として記事を追加していく形で情報を集約していく。
・ある程度カテゴリの整備が終わり、内容をどんどん追加していく段階になったら営業職の社員などにも社用wikiを共有し、必ず時間をとって使い方の講座を開く。
・資料を新規作成したり変更を加えたりした場合は「必ずwikiも更新する」ことを社内ルールとして徹底する。
導入したとて、日常的に社員の手によって更新・維持されるようでなければ、社用wikiは機能し得ない。
様々な部署や社員が持っている知識・情報・ノウハウを一箇所に集約して共有し、業務効率化をはかるという目的を達成するために、徹底して作り込み、浸透させていくための努力をしていこうと思う。
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