縁は異なもの味なもの
夏が始まる前だったと思う。
ベランダにグレーの猫が涼みにきていた。野良にしてはキレイな子。こんな綺麗な子でも野良なのか・・・。
気づいたらいなくなっていた。
今住んでる家に引っ越してわりとすぐの頃にも近所で見かけていた猫。
そんな頻繁に見かけていた訳じゃない、その年はなぜか目について、
旦那がご飯をあげだした。
「いや、あんた何してんの。飼う訳でもあるまいし無闇にご飯なんかあげちゃダメ。あげたいなら飼うつもりでやりなさいよ。」
こんな注意も聞き流してたのか、毎日来る猫がよほど嬉しかったようで
猫に朝晩ご飯を出して撮影するのが日課になった。
「名前つけないと」と旦那がいう。
「LIGにするか!」
安直な・・・とも思ったがLife Is Goodの頭文字でLIG
よい猫生をという意味も込めてらしい。
まぁゴロもいいし、いいんじゃない?と
私も一緒になって面倒をみるようになった。
ご飯を提供しはじめて半年経ったころ。気温も下がり朝晩玄関を開放するのもツラくなってきた。
LIGはよほど天気が悪くない限り来訪し、タイミングが合えばご飯を出し、食べている間撮影する。そんな関係もいつまで続けるのか。
「いつまで開けっ放しにするの?」
「LIGかわいそうじゃん。」いや寒いんですけど。。。
相手は野良猫ですよ、なのに毎月キャットフードを買い、なんならちゅーるも・・・いや、だからウチの子じゃないよ?
そんなやり取りから数日、時はクリスマスイブ。
だいぶ冷え込んだ朝、LIGが来る。私は居間でTVを見ていた。
「嫁ちゃん、LIG捕獲しちゃった(テヘペロ)」
「は?何言ってるの?」と玄関に目をやると、
玄関を閉められ途方に暮れているLIGがいた。
玄関に体が向いているが、上半身よじって目線はそっぽを向いている。
用意されていたご飯を食べようとのこのこ屋内に侵入、
それを見た旦那「これもしかして捕まえられるんじゃね?」と、
玄関を閉めたら・・・
余程無警戒だったらしく捕獲と相成った次第で
「どうしようwww」
いや草生やされても・・・
と次の瞬間「ここで逃がしたらもう来ないかもしれない・・・ご飯を出していた責任もあるし、飼うか。」と脳内で決心。
「仕方ないからウチで面倒見よう。動物病院まだやってるから
検査しにいくよ」と、近所にある某ペットショップへキャリーバッグを買いに行き、動物病院へ。
もともと実家で犬を飼ってたこともあるので、付き合いのある獣医に見せた。
「今度は猫なの?綺麗な子だけど・・・随分おデブだねw」
体重を量ったら5kgオーバー。肥満猫とのこと。
確かにエアコンの室外機に乗ってた時に腹の肉垂れてたっけな・・・。
血液検査は陰性。口内の状態を見ると7歳(捕獲当時)くらいかな、とのこと。
初めて見た時に既に成猫だったことを考えると割りとつじつまが合う。
そっかー意外とシニアだったのか。
「7年野良猫ってなかなかスゴいね。しかも健康優良猫!」と先生にお墨付きをもらった。メタボだけど。
体重が結構あるから今後のためにも減量しようとのことで、
食事療法用のフードを出される。
検査が終わって帰ってきて、すぐ家の中で放す訳にいかないのでケージを買ったのだが配送が明日着で、一晩だけ様子を見なければならなくなった。
旦那と交代で睡眠をとったのだが、明け方大暴れだったらしく、なんなら脱糞までかましたそうで・・・(私は寝てた)
と捕獲した日を終え、LIGはうちの子になりました。
今年で4年目になります。
減量もでき、4.8kgくらい。もう少し痩せるといいな。
まさか遊びに来ていた野良猫が、家の子になるなんてね。
私は正直飼うつもりなかったです。
けど今は、「うちの子になってくれてありがとう。」その一言につきます。
長生きしてね。LIG。
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