「岐阜県公立高校入試」国語 語句・文法問題 過去36年
岐阜県公立高校入試の国語では、毎年、語句・文法問題が数問出題されています。岐阜県公立高校入試の国語は、例年、平均点が非常に高く、難易度の高い高校(岐阜、岐阜北、大垣北など)では、ほとんどの受験生が90点を超えてくるレベルと思われます。
そうしたなかで、高い得点域での競り合いになったとき、語句・文法問題を確実にとることがきわめて重要になってきます。
ここでは、過去36年の出題傾向を紹介し、今後の学習の参考にしていただければと思います。
①令和5年度~令和2年度
・令和5年度(16点)
2-1 接続詞 空欄補充(3点)
2-2 動詞の書き抜き(そのまま)と活用形(4点)
3-1 慣用句 空欄補充 (うのみ)にする(3点)
3-2 熟語の構成 「調整」(3点)
3-3 助詞「の」の用法(3点)
・令和4年度(13点)
2-4 「すぐ」と同じ品詞(3点)
3-2 「考えてみる」の関係(補助の関係)(3点)
3-4 「択」と同じ画数の漢字(2点)
5-1 「もらいました」を敬語表現に(5点)
・令和3年度(12点)
2-1 「まったく」が修飾する言葉(3点)
2-3 形容詞の抜き出しと活用形(3点)
3-1 接続詞 空欄補充(3点)
3-2 「生き」と同じ活用の種類の動詞(3点)
・令和2年度(9点)
2-1 「ない」の識別(3点)
3-2 形容詞の抜き出し(3点)
3-4 熟語の構成「学習」(3点)
令和5年度は配点が16点と過去に類を見ない出題であった。配点が13点だった令和4年度は、敬語表現が5点配点となった影響が大きい。その他の2年は近年のよくある出題の形となっている。
②平成31年度~平成21年度
・平成31年度(12点)
2-1 熟語の構成「未来」(3点)
2-2 主語を一文節で抜き出し(3点)
3-1 接続詞 空欄補充(3点)
3-2 「と」の用法(3点)
・平成30年度(9点)
2-1 慣用句 ( 肩 )を並べる(3点)
2-5 動詞の抜き出し(3点)
3-4 熟語の構成「獲得」(3点)
・平成29年度(10点)
2-1 副詞 空欄補充 選択問題 (3点)
2-4 「ない」の識別(3点)
3-4 動詞の抜き出しと活用形(各2点)
・平成28年度(9点)
2-1 接続詞(3点)
2-2 動詞の抜き出し(3点)
3-2 熟語の構成「関連」(3点)
・平成27年度(6点)
2-3 漢字の書き順(3点)
3-4 同じ活用の種類の動詞(3点)
・平成26年度(6点)
2-1 熟語の構成(上→下)(3点)
2-3 同じ品詞を選択(動詞)(3点)
・平成25年度(8点)
2-1 主語を一文節で書き抜き(2点)
2-2 同じ活用の種類の動詞(2点)
3-3 辞書の引き方「部首索引」「画数」(各2点)
・平成24年度(7点)
3-1 接続詞(3点)
3-4 熟語の構成(下→上)(4点)
・平成23年度(9点)
2-1 副詞(3点)
3-1 接続詞(3点)
3-2 同じ活用の種類(3点)
・平成22年度(11点)
2-2 同じ活用の種類(3点)
3-2 漢和辞典の引き方(部首索引)(4点)
3-3 熟語の構成「消滅」(4点)
・平成21年度(6点)
1-3 形容詞の抜き出しと活用形(各3点)
平成28年度から31年度の出題は3問から4問、9点から12点の配点が続いた。
特色化選抜入試が終了して数年は問題数も少なく、また特色化選抜入試の実施されていた時期は、辞書の引き方などの問題が数回出題されていた。
平成22年度からは、漢字が独立した大問となり、その前年の平成21年度から配点の公表が始まった。
③平成20年度~平成12年度
平成20年度以前については、配点が公表されておらず、全体における比重はわからない。出題された問題についても参考程度の確認でよいだろう。
・平成20年度
1-1 語句の意味「口をきく」
2-3 筆順
・平成19年度
1-2 形容詞の抜き出しと活用形
2-2 接続詞
・平成18年度
1-2 副詞
1-3 同じ活用の種類の動詞をふくむ文
2-3 熟語の構成「成功」
・平成17年度
1-4 同じ品詞(形容詞)をふくむ文
2-2 接続詞
2-4 筆順
・平成16年度
1-2 語句の意味「促す」
2-3 「やがて」が修飾する語
・平成15年度
1-7 熟語の構成(下→上)
・平成14年度
1-2 副詞
2-2 接続詞
2-5 「で」の用法
2-6 漢和辞典の引き方(部首、画数)
・平成13年度
1-3 動詞の書き抜きと活用形
2-5 「夜遅く」が修飾する言葉
・平成12年度
2-2 語句の意味「きめかねる」
3-1 古文と現代文の違い 助詞「が」の省略
2000年代は毎年数問のみの出題が続いた。熟語の構成や動詞・形容詞の抜き出しなどおなじみの問題に加えて、語句の意味を問う問題が何度か出題されている。
④平成11年度~昭和63年度
・平成11年度
1-3 擬音語を抜き出し
1-6 語句の意味「丹念」
2-4 熟語の構成「欲求」
3-2 漢和辞典
・平成10年度
1-3 修飾する言葉(2題)
1-4 漢和辞典
1-7 「ぬ」の用法
1-8 同じ活用の種類の動詞
2-1 接続詞
2-3 語句の意味「矛盾」
・平成9年度
1-3 語句の意味「耳を疑った」
1-4 表現技法(擬人法)
1-7 「すでに」が修飾する言葉
2-2 副詞
・平成8年度
1-2 「決して」が修飾する言葉
1-5 表現技法(倒置法)
1-6 筆順
1-7 語句の意味「素朴」
2-1 接続詞
・平成7年度
1-4 「の」の用法
1-5 熟語の構成(下→上)
1-6 文節の関係
1-9 表現技法
2-3 同じ活用の種類の動詞
・平成6年度
1-3 擬態語
1-4 品詞と活用形
1-5 語句の意味「すくんだ」
2-3 接続詞・副詞
・平成5年度
1-4 語句の意味「無謀」
1-5 「いくら」が修飾する言葉
1-7 「の」の用法
1-8 品詞名(2題 「遠い」「吹い」)
・平成4年度
1-3 修飾する言葉
1-4 語句の意味「慎重に」
1-6 動詞の書き抜きと活用形
・平成3年度
1-4 熟語の構成
1-5 品詞・活用形
2-3 「ばかり」の用法
・平成2年度
1-5 動詞の書き抜きと活用形
1-7 筆順
2-3 主語を一文節
2-4 「の」の用法
・平成元年度
1-4 修飾する言葉を一文節で(2題)
1-5 品詞・活用形
2-4 否定語
2-5 「よう」の用法
・昭和63年度
1-2 接続詞
1-4 表現技法(倒置法)
1-6 同じ活用の種類の動詞(2題)
2-4 語句の意味「淡々と」
2-5 文節の関係(2題)
1990年代から80年代末にかけては文法問題の出題が多く見られた。とはいえ、近年の出題傾向と大きな違いはなく、やはり用言(とその活用)、熟語の構成、文節同士の関係などが頻出分野であった。また、この時期にも「語句の意味」を問う出題が多かった。これらの出題が最近ほとんど見られないのは、「暗記中心主義からの脱却」という方針に沿っているからだろう。嘆かわしいことだ。
⑤さいごに
いつも言うことだが、ヤマを張ってもろくなことはないのだから、幅広く学習しておくようにしよう。特に、「熟語の構成」は「同じ意味の漢字」が出題されることが非常に多いが、そうでない場合も当然ある。筆順や画数は平成中期によく見られて以降、あまり出題されていなかったが、令和4年度に久しぶりの出題があった。
語句・文法だけを独立して学習する機会も少ないとは思うが、模試の復習などを通して、常に振り返る習慣をつけておこう。特に「教科書」にある「文法の復習」「熟語の構成」はよく復習すると良い。近年はあまり出題されいないが、「否定語」「慣用句」「三字(四字)熟語」なども目を通しておこう。
これらの分析が諸君らの成績向上につながれば幸いである。