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奄美に行ってきます

あなたはどうしていらっしゃるかしら。
まきむらよ。

この度の災害や、地域の犯罪、また人生の試練などで、不安な思いをなさっていることがもしあれば、この画面を通して、文字に乗せてお伝えします。んーっと……

 ❤️ 

あっ、文字じゃないのかなこれ。えっとハートマークです。赤の。言葉って誤解を生じるものでもあるので、ハートマークだけで伝えたいなって。いろんなことあったし、いろんなことあるけど、胸に手を当ててみたら、あなたの心臓が動いてる。ずっと動いてきたの。動いていたの。どんな相手もそうよ。それを改めて感じると、元気が内側から湧いてこない? あ、結局、言葉で説明しちゃった。えへへ。

文筆家です。

でも、三週間くらい前かな、自分でもはっきり下手くそだとわかる文章を発表してしまった。これですけど

ファンクラブ外に出した文章なのですが、これを読んでファンクラブを抜けたかたもきっとおられると思います。応援してくださったあなたを、裏切られたような気持ちにさせてしまったかもしれない。応援してくださってありがとうございました、と、深々頭を下げて見送りたい気持ちです。

あの時点ではネットに出せない情報や、裏を取れていない情報、また、自分の中でも整理のつかない言葉にならない感情が多すぎて、ふんわりした書き方になってしまいました。追記にもある通り、あれは「ただ耐えろ」とか「私は悪くないから許して」という文章ではありません。アメリカ由来の英語の概念で、その文脈を共有していない世界中の人間が、シスとトランスに分けられてしまうこと、それ自体に抵抗したい、という試みです。英語がわたしたちをシスとトランスに二分することにより、自分で自分を……例えば「性同一性障害」とか、あえて「おかま」とか、シスもトランスもなくただ「女」とか、「MtF」とか、色々な名前で呼んできた人がみんなみんな、「そんな呼び方はアメリカではもう古い。アメリカの最新の理論にならってあなたはあなたをトランス女性と呼びなさい」って塗りつぶされそうになっても、「あなたがあなたを呼ぶ名前はあなたが決めていいんだ」、そう、言いたいんです。(だからって人におかまって言っていいって話じゃないけどね、もちろん。何が言いたいかっていうと、自分で自分を呼ぶ名前は、“正しさ”とか“新しさ”で他人からジャッジされるもんじゃないってことね)

日本のレズビアンは昔からトランスを排除してきた、という説をネットで唱える人がいますが、嘘です。そんなの、あまりに乱暴な言い方です。例えば今年のTRPのLGBT30年史を読んでほしいです。トランス、っていう概念が英語圏ですらまだふわふわしていて、日本語圏でも「性同一性障害のこと」だなんて雑な説明がされていた頃から、ずっとずっと、試行錯誤して場を作ってきた人たちがいるんです。わたしたちをカテゴリ分けする言葉ではなく、ひとりひとりの名前を呼び、関係を築きながら。

この件がネットに出る前から、わたしは二丁目にたびたび足を運んで取材し、ネットで流れている噂を真に受けずに確認し、日本のコミュニティについて不正確な報道をした英語メディアには英語で「何を根拠にそう言うのですか」と質問文を送りました。個人名で。無視されました。でも、追加取材しています。「声の大きい人や、大人数でまとまった人が、静かに聞く人を黙らせる」……というふうになりがちな中、わたしは静かに聞き、ひたすら聞き、黙って聞き、否定も肯定もせずにただ聞き、そして、書く人でありたいからです。

これはあくまで、わたしの……米軍基地の街に生まれ、英語という言語を一度ははっきりと憎み、それでも、自分が自分の憎しみによって孤独に陥らないためにはやはり言語が必要なのだ、言葉で生まれた悲しみを乗り越えるのもまた言葉なのだ、と思って語学を学び言葉を仕事にしたわたしの、選択です。「あなたはこうすべきだ」とか、「あなたはこうすべきでない」とか、そういう話ではありません。あなたの人生なので。

わたしが何を選び、どこに歩いているか。

まだ確かめたいことがたくさんあり、本当に「途中」なんですが、今の時点でのことを、少しお話ししたいと思います。

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