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ホームなんかねえんだよお、って泣きたくなったらさ

そこから月が見えるかい?

まきむらだよ。(精一杯のイケメンボイス)

本日も人間社会はわあわあしており、人間生活、陣中お見舞い申し上げます。

桜咲き、お空の月は満ちて欠け、ねこはこたつでまるくなる。人間がどんなにわあわあしておっても、窓越しに、スマホ越しに見える世界にはいつものリズムで脈打つ何かを感じたりして、たまに配送やごみ収集の車の音がして、「乗っている人はいつものリズムを守っていると感じているのか、それとも、守らされていると感じているのか」「とにかく、ありがてえなあ」「それにくらべて自分のこの文筆業という仕事はなんなのだ。このご時世にこの原稿を書いていてなんの意味があるんだ?」などと考えて、でも、「読んでくれる人がいるんだぞ。ありがてえなあ」と思いなおしています。

仕事をし、自分の家で暮らし、「お家にいましょうね」と呼びかける人たちをスマホ越しに見ながら、思っているのは、「おれにホームなんかねえんだよお」って思っているだれかのことです。

文字通り家がない。
家、ということになっている場所で安心できない。

とかね。

わたしがそういうふうだったとき、わたしはな、月を見てかぐや姫ごっこをしておった。「いま現世ではちょっとアレだけどわたし実際、姫だから。ここは家じゃないけどゆくゆく月に帰るから」と思いながら月を見ておった。その記憶が、いま、2020年4月7日のこの夜、すごいまんまるに浮かんでいるこの月につながる。し、この先のいつかも、思い出すのかもしれない。2020年4月7日のこの夜、すごいまんまるだった月のことを。

月ってマジですごくて、時間も、空間もだいぶ超えるんだよね。クロマニヨン人ウホウホ時代も、清少納言が「夏は夜。月のころはさらなり」って枕草子に書いた瞬間も、今どっかの海で知らん魚が卵を産んだ瞬間も、知らん街で知らん誰かが知らん食い物を食べているところも、なんかもう、ほんと、全部見てるはずで。

だからさ、なんていうかさ、

ホームある?あるならよかった。なんとかホームをご機嫌にしていこう。

ホームない感あるならさ、助けを求めていこうね。それでもすぐに助からないって思ってる間はさ、かぐや姫ごっこしない?(性別不問)って、気持ちです。

なんとかやっていきましょう。

この下は、おもちの話です。

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