その土地のことを知る。高知でめっちゃ郷土資料を見て講演した話
お元気かしら?
まきむらよ。
わたしは高知に講演に来ています。
5日間の高知滞在の話、おいしいことも楽しいこともおもしろかったことも色々あります。あと、今月前半は東北にいて、各地の男装文化を探し歩く「みちのく男装旅」をやってたので、その話もいっぱいある〜。
けど、それはまた別の機会にするとして、まずはキリッと仕事報告をしたいと思います。(キリッ。)
高知での講演内容
5日間滞在し、4本の講演をさせていただきました。
わたしは、講演でいろんな土地にお伺いするんだけど、だからこそね、「よそものがやってきてなんか言って帰った」みたいになりたくないのよね。せっかくご縁があった土地のことはちゃんと知りたいと思う。演説よりも対話をするのが好きです。なので、講演先のことを勉強させていただいて、講演先に合わせた話題をつぎの通りご用意しました。
高知県立大学池キャンパス
「多様な性・多様な家族 私が今も男装する理由」
→18世紀から現代に至るまで、“ソドミー”から”LGBT”, ”SOGI/SOGIESC”に至るまで、性をめぐる概念がどのように変わっていったか。その中で、自分自身含め、いわゆる男装をする人たちが、なぜ男装をしたのか。どのように生きたのか。
高知男女共同参画センター ソーレ
「ひらく・ひもとく結婚制度」
→現代日本の結婚制度がどのように作られていったか、原始時代から振り返ることで、性、愛、生き方を考える。その上で、婚姻にまつわる高知の民俗(イキゾメ・シタナマグサなど)、昭和期の高知新聞に載った性にまつわる記事なども見ながら、それぞれの経験・考え・知っていることなどを、あくまで「自分はこうです」という形で、押し付けたり否定したりせずに、話を聞き合い、共有しあう。
高知大学岡豊キャンパス
「プシコパシアセクスアリスを読む」
→現代的な「同性愛」ひいては「LGBT」「SOGI」という概念が成立するまでの過程で、大きな転換点となった、同時に悲しい歴史にもつながった、精神科医クラフト・エビングの著作「プシコパシア・セクスアリス」およびそれ以降の医療者たちの群像を、医療に携わる皆さんと振り返る。
高知大学朝倉キャンパス
「Super Regional Sexualities !」
→主義としてのグローバリズムを、様々な学問分野から学んでいる皆さんと一緒に、欧米のLGBTという概念が成立する前からあった、各時代・各地域の性にまつわる概念を見ていく(ムーシェ、おめ、エナレス、など)。そうした概念を、植民地主義が植民者側の言葉をもって名付けたり、記録したり、やめさせようとしたりした歴史も振り返った上で、
「自分がLGBTなのかどうか、どちらか決めなきゃいけない気がしてしまう」
「L、G、B、Tなどなど色々ある中の自分はどれなのかはっきり言えなくて不安」
「自分が“それ”だと認めてもらうために、本当はそうしたくないのに”それ”らしく振る舞ってしまう(例:「FtMは自分のこと”わたし”じゃなくて”俺”って言わなくちゃおかしいと思われるから気をつけなきゃ」とか)」
みたいな苦しみから楽になるヒントを探す。
……っていう、講演でした!
「LGBTとはこういう意味ですよ〜。わたしはこういう経験をしたLGBT当事者です!みなさん理解してください!」型の講演を、わたしは、やりません。別に、そのやり方を否定するんじゃないし、それで伝わることもあると思うんだけど、わたしは、やりません。その土地のこと、その土地の人たちが考えていること、その土地の人たちが望んでいることを聞いた上で、一緒に知っていく、一緒に考えていく講演をしていきたいとわたしは思っています。
あなたのところにもお伺いしたいので、ぜひ、学校や自治体やお勤め先にリクエストをしてください。また、ご依頼をくださる方は、下記よりお問い合わせください。
●お問い合わせはこちら
●過去の仕事実績
●印刷用A4プロフィール
ということで、読んでくださってありがとうございました!
今月は7県まわってて、いろんなところに行けてうれしい〜。次回講演は、一般公開してるものですと神奈川県藤沢市です。またゆるい話もしたいです。
ここから下は、ファンクラブ「なんかこう、まきむぅたちとしゃべったりとかするとこ」に入ってくださっている皆さんとコメントでお話しするコーナー+ちょっと写真です。街並み、そのへんの猫、など。
ここから先は
なんかこう、まきむぅたちとしゃべったりとかするとこ
タレント・文筆家のまきむぅこと牧村朝子が、雑談、日記、音声コンテンツ、あなたからのコメント読みをやったりする、いわゆる公式ファンクラブです…
応援していただけるの、とってもありがたいです。サポートくださった方にはお礼のメッセージをお送りしています。使い道はご報告の上で、資料の購入や取材の旅費にあて、なにかの作品の形でお返しします。