ローゼル2020 (1)下処理
フレッシュローゼルの秋です♪
昨年は愛知の農家さんの畑での摘み取り体験イベントを企画したりしていたのですが、今年はご時世というより物理的な距離と時間の都合で残念ながら伺えず、宅配で送っていただきました。
下処理から、今年加工して作ったものを、何回かに分けてご紹介します。
ローゼル(ハイビスカス)とは
ハーブティーで「ハイビスカス&ローズヒップ」のブレンドをよく見かけますよね。そのハイビスカスの部分の別名がローゼルです。
お花を愛でるハイビスカスとは、アオイ科の仲間ですが、違う植物で、食用という点ではオクラの方が近いかもしれません。
学名: Hibiscus sabdariffa
和名: ローゼル
使用部位: がく部
作用適用: 代謝促進、消化機能亢進、利尿、緩下、疲労回復、便秘
安全性: 適切な用法、容量を守る
※暮らしに役立つはじめてのハーブ手帖/すずきちえこ/2020/メディアパル より
見ての通り赤い色素(アントシアニン)に加えて、爽やかな酸味(クエン酸、ビタミンC)、粘液質(ペクチン)、ミネラルがたっぷり。
ハーブにするのはお花ではなく、果実(タネの鞘)を包んでいる萼と苞の部分ですが、お花や若葉も食べられますし、葉をお茶にしたり、茎からは繊維をとったりと、捨てるところのない植物です。
フレッシュの萼部は乾燥させてハーブティーとして使用するのはもちろん、甘くしてジャムや砂糖菓子に、塩漬けにして梅干しがわりに使うことができます。
写真は購入もさせていただく畑にて。カクテルパープルというエジプトからきた淡紅花の品種で、9月の終わり頃〜10月いっぱいくらいに収穫されています(霜が下りると枯れてしまうので一年草扱い)。萼苞は小ぶりで肉厚は薄めですが、とにかく赤色や酸味が濃いのが特徴です。
沖縄などで11月頃出荷されているもの(淡黄花の品種?)や台湾で砂糖漬けにされているものはもっと肉厚で果実が大きく、食べごたえがあります。
ローゼルの下処理
果実はまず洗って、ヘタと種、萼苞に分けます。
カクテルパープルの場合、可食部の萼苞は、重さにして3−4割くらいになりました。
1)洗って水分を取る
ローゼルの果実をたっぷりの水に浸してザブザブと洗い、浮いた果実をすくうようにしてザルに上げます。※ボウルをひっくり返してざるに上げると沈んだ土などの汚れが再付着してしまいます。
洗いは手早く。長く浸すと赤色が溶け出てしまいます。
2回くらい洗ったら、私はタオルに挟んで水分を拭き取ります(量が少なければ自然乾燥でも良いです)
2)萼苞と種とヘタに分ける
ヘタ部分を深めに切り落とし、太めの菜箸などで種の入った鞘を押し出すようにして抜きます。
小ぶりなものや、ヘタの切り落とし方が浅いと、箸で押しても鞘がポンと抜けないことがあります。無理に押し出そうとグリグリしすぎるとちぎれてしまうことがあるので、早めに諦めて、縦に切り目を入れて萼を開くようにして鞘を外します。
このクラウン型の萼苞を加工していきます。
そのままいただくと、すっぱい野菜、って感じです。
この状態であれば冷凍保存ができるので、フレッシュローゼルが手に入ったら最低ここまでは処理しておいてください。
種(鞘)とヘタの利用法
食べない鞘はネットに入れてぬるぬるしっとりの入浴剤になるそうです。十分成熟していれば日陰干しして種を取ることもできます
ヘタ部分はこれといった利用法がないのですが、こっそり自分流を紹介します。(捨てたくない星人は、フレッシュで使いきれない分は乾燥して保管しています)
■ヘタのハイビスカ酢
お酢に漬けて、色素や粘液質を抽出します。ピンクでネバネバのお酢をお料理に使います。
また、石鹸シャンプー後のリン酢としても使います。
■ハーブティー (ヘタ茶)
フレッシュまたは乾燥させたヘタも十分ハーブティーにできます。が、鞘の根元の白い部分が多いために野菜の茹で汁風味が出やすいので、他の香りの良いハーブとブレンドする方が美味しくいただけます。
まとめ
これを書いているのは11月2日、冷え込んできたので本州の露地栽培ものはもう厳しいかもしれませんが、九州や沖縄産のものはこれからが旬です。
数が多いと種を抜く作業が大変ですが、次回からフレッシュならではの萼苞の活用方法をご紹介していくので、晩秋のお楽しみ、フレッシュローゼルをぜひ手に入れてくださいね。
ローゼル2020 (1)下処理編 (本記事)
ローゼル2020(2)塩漬けと砂糖漬け編
ローゼル2020(3)シロップとジャム編