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パリ五輪の天候 マラソン競技を占う

(共同通信社から地方紙向けに配信されている「千種ゆり子の空てんき」の2024年3月分記事です。共同通信社からは許可を得て、そのままの文章で掲載します。)

先日、元女子マラソン選手でスポーツジャーナリストの増田明美さんとお話する機会がありました。話題は去年10月に行われた「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の天気についてです。

パリ五輪の代表を選考するためのレースで、増田さんいわく、本番当日に天候が近いということで日程が決まったそうです。パリの平年8月は、最高気温25度、最低気温15度前後ですから、確かに東京の10月平年に近いわけです。平均的な気温、かつ、晴れの天候を想定すれば、比較的走りやすい状態となるでしょう。

しかし実際のMGC当日の天気は雨。増田さんによれば「当日の雨と寒さは、体脂肪が少ない選手の低体温症につながった」そうです。

では、実際のパリ五輪でも、同様の雨は考えられるでしょうか。8月のパリは1カ月に1日程度まとまった雨が降ることがあり、去年のMGCのような雨になる可能性もゼロではありません。

一方で雨とは真逆の「猛暑」を想定しておく必要もあります。近年は地球温暖化の影響で暑さがより極端になっており、パリは数年に一度40度前後の暑さに見舞われています。40度の可能性は非常に低いものの、ゼロにはなりません。不確実性の大きな「天気」に対応できるかどうかが、去年のMGCでも試されていたのでしょう。

増田さんは女子の代表に内定した3選手について、前田穂南選手は暑さが得意、一山麻緒選手はどんな状況にも対応できると、太鼓判。鈴木優花選手も、指導する山下佐知子さんが五輪に2人の代表を送り込んだノウハウがあるので、対応できると思うと期待を寄せています。選手の天気への対応にも注目したいで

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