「小満」ガラスと季節の言葉たち
”すべてのものが、成長して世界に満ちてくる”
今日、2020年5月20日は二十四節気の「小満」
万物がすくすくと育ち、天地に満ち始める頃。そういう時を示すのが、この「小満」という言葉らしい。
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私は今、とある森の近くに住んでいます。
自然が豊かなところだとは思っていたけれど、外出自粛にあたり近所を散歩することが増え、知らない道を歩いてみたことで、今までは見つけられなかった植物たちにたくさん出会うことが出来ました。
出会えた時は、本当に宝物を見つけたような喜びがあり、夢中で写真を撮って、帰ってきてからその植物について調べてみるのもとても楽しい時間でした。
ということで、今回は最近出会った森の植物たちを、写真と共に紹介してみます。中には絶滅危惧種に指定されている植物もありますが、みなひっそりと、でも力強い美しさを持つ草花です。
ホウチャクソウ / 宝鐸草
初めて見た時は、鳴子百合を探しに近所の森に入った時でした。鳴子百合も葉っぱの下に隠れるように咲いているので、見逃さないようにしていたら見つけました。
白から緑色のグラデーションが美しく、大好きな花になりました。
ホタルカズラ/ 蛍葛
初めて見つけた時はその美しい青に大興奮!そして名前を知って更に!
草むらの中で点々と咲く花の様子を、蛍に見立ててつけられた名前らしい。
もう、命名者に100点満点をあげたい。
マルバウツギ/ 丸葉空木
今年はこのマルバウツギの勢いが本当にすごかったです。小さな花びらが雪のように舞い落ちて、これも毎年楽しみな山の植物。
トキワツユクサ / 常盤露草
山に囲まれた土地に住んでいるので、山の斜面がたくさんあるのですが、その斜面に毎年、白い小さな花が、星のようにたくさん群生しています。
スイカズラ / 吸葛
夕方になると甘く、どこか懐かしい香りを漂わせるスイカズラ。
花の蜜を、子どもが吸って遊んだことから「吸葛」という名前になったらしい。
かわいい由来だなぁ。
ナルコユリ/ 鳴子百合
実は一度も実物を見たことが無かった鳴子百合。今年こそ!と思って森に入ってみたら出会えました。でもこれはまだ蕾。今週末、また見に行ってみようと思います。
バイカウツギ / 梅花空木
雨上がりに、白い花びらが桜のように地面に散っているのを見つけて、びっくりして上を見上げたら、見つけました。4枚の透明感のある花びらがとても、キレイ。
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どの植物も、私の家から徒歩圏内で見られる植物です。でも、今までは見つけることが出来なかった。
行動を変えたり、いつもとは違った時間を過ごしたことで、新しい出会いがあった。自粛期間が、春で本当に良かったなぁと思います。
今年の春は本当に植物に助けられた日々でした。
どこか遠くにいきたいと思いながらも、身近な美しさもやっぱり大切にしていきたいと思わせてくれました。
秋の個展に向けて、この植物たちから受け取った生命力を、ガラスに注ぐことが出来たらなぁ、と思います。