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自分自身を偽り鼓舞し続け、それが何という結末を招いた事か


いつか見たお花

自分自身を誤魔化し鼓舞し続け
それがなんという結末を招いた事か


私はかつて今とは別の姓を名乗りました。
ええ、結婚していたんです。
夫がいました。
私は仮にも人の妻だったんです。

残念ながら子供はおりません。
残念ながら、と、自らの文章で綴るという事は
私の方は少なからず子供を望んでいたんでしょう

しかし子供については結婚前に散々2人で話し合い、私達夫婦はあえて子供をもたない、いわゆる
「選択的子なし」夫婦の道を選びました。
そう、そのはずだったんです。
特に夫が強くそう望みました。
私は正直なところを申せば、夫ほどではありませんでしたが…
けれど子供はともかく、この人と一生を共に過ごせる、パートナーとして生きていける、一緒に歳を重ねていける、死が2人を別つまで…
その喜びでいっぱいでした。

いつか行った水族館


しかし、結婚してしばらくすると私の中で、
本当は子供が欲しいのではないだろうか?
という気持ちがジワジワとそれこそ身体の奥から
滲み出るように沸いて来ました。
何故かは分かりません。
何度も何度も夫に相談してみようと思いました。

しかし、私は結局は踏みとどまりました。

夫と私には明らかな格差があったからです。
学歴から職歴、容姿から収入に至るまで、何をやっても夫には何一つとして敵いませんでした。

私の収入では恐らく一生住む事が出来ない立派なマンションに住む事が出来、勿論完全オートロック、防犯面はばっちり、私の安全を考えて夫がしてくれた事だけれど、私は何故か謎の申し訳なさを感じていました。

夫の希望で夫の扶養に入り、私は基本的には専業主婦となり、仕事といえばたまに時短パートに出る位の生活が始まりました。

初めてのフラワーアレンジメント☺︎


時を同じくして、世間は間もなくコロナ禍となり、緊急事態宣言が発令。
日本が、いや世界が、未だ体験した事のないあの混沌とした雰囲気に呑まれていったのでした。

私の日常は至ってシンプルでした。
まず朝'6時に起床。
夫はとても眠りの浅い人で就寝中に私が少しでも物音を立てるととても嫌がります。
カーテンを開ける事は禁止です。
お日様の光が苦手なんだそうです。
我が家は基本的には部屋干しでした。
せっかく陽当たりが良い角部屋で、大きなベランダがあるというのに勿体ないなぁ。
内心そう思っていたけれど
やはり何故か言えませんでした。

私はとても桜が好き

自分自身の事ならともかく他者の極めてプライベートな事まで公衆の面前で話すなんて己の恥を知るべきです(勿論、私自身も含めて)

あの頃、こんな風に遠くへ逃げ出してしまいたかった


そうこうしているうちにあっという間に時が流れ、私達夫婦の間には何となく、けれど確かに
不穏な空気が流れるようになりました。


特に不仲という訳ではありません。
喧嘩らしい喧嘩もせず、というより出来ず、
お互いの事に向き合う事を敢えて避け続け、
現実から目を逸らしていたのです。

何故そんな事をしたのでしょうか?
答えはとっても簡単。
それが1番自分自身が傷つかずに済む方法だからです。

結婚とは人生のまさにターニングポイント。
籍を入れたからにはそれなりの覚悟が必要です。
半端な思いや気持ちでした訳では決してありません。

しかし少しずつ、けれど確実に
それこそジワジワと首を締められるように
何故か息苦しく感じる日々。
こんなはずではなかったのに

でも大丈夫
だって致命的という程ではないじゃない
まだやり直しは効くはずです
よく分からないけれど
皆色々あるはず
こんな事誰にも打ち明けられないけれど
傍から見たら案外上手く行ってるように
見えるのかも知れない
しかし一方で私は頭の隅の冷静な場所では…

そんな事比べたって仕方がないのに
自分自身を偽り、幸せそうに振る舞うことで
自分をなんとか保ち続け、

気がつくと私は随分と遠い遠い場所へと
来てしまっていました

これ位遠くへ行けたならば


決定的な出来事が起こりました
それが何かは書きません
しかしその時既に私達夫婦の心はお互いの
心を見てはいませんでした

いや、もうずっとずっと前からです
気付いていました

でも気付いていない振りをしていたんです
そんな愚かな行為をする事で楽になる事もあり、
それが間違いであると頭ではわかっているのに
どうしたって感情が付いて行かない時という日々
があります
言い訳だと言われたって構いません


例えいいことばかりじゃなくても、真っ当に生きようとしてる人生は素晴らしいのではないでしょうか

夜桜というのはとても美しい

私は好きな髪型をし、好きなメイクをして、好きなファッションがしたい。
出来れば好きな仕事に就き、それで収入を得て、趣味を楽しみ、時には友人と笑い合いたい。
そして好きな街に住みたい。

出来ればその時私の隣には私の好きな人つまりは大切な人が側にいて、微笑んでいて欲しい。
相思相愛の人に。

それを恐らく人々はこう呼ぶ。
運命の人、と。

私の好きな花の1つ、ミモザ

                   yurika





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