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コントロール
失恋や離婚や病気が
私の心を死なせた訳じゃない
ただただ「失ったこと」が
私の心を結果的に殺した
「何者か」になりたいかというよりは
ありきたりで月並みな人生からは自由でいたい、
と思っていた
それがどんなに幸福で傲慢であるかと言う事も
私は何も知らなかった
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一見見過ごしそうな日常の中に潜む
違和感と美しさ
美しいと言えば美しいし
違和感と言えば違和感
居心地が悪いと言えばそうである
現代社会において他者と共存出来ない者は
つまり圧倒的に排除されていく
早い話が私が生き残っていく術は
苦しみから楽になりたい方法は
そんなに選択肢はないということ
他者の都合のいい解釈で完成された宗教でも
盲目的に信仰すればそれこそ楽になれるのかもしれない
コントロールされている
誰も彼もが恐らく無意識
だから震える
そうであるなら今度は私が
なぜ私は搾取されたのか
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私が求めているのは確かな真実
けれどそれらはとても曖昧
時にはとても残酷で
人の人生をも狂わせる
自分自身の傲慢と身勝手
不安と恐怖
プライドと見栄
自己嫌悪と自責感情
激しい動揺
馬鹿馬鹿しくって涙が出る
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私の側を離れて行く何人かの男の人たち
皆口を揃えて言う
私といてもつまらない、と
飽きた、と
一緒にいても成長出来ない、と
口が裂けても言わなかったけれど
私も内心似たような事を実は思っていた
例えばどちらかが幸せを感じていて、
どちらかが不幸せを感じている時、
その変化に気づかないなんて事は
まず有り得ない
それはもう関心がない事と一緒である
夫婦に限らず恋人でも、お互いを思いやる事が
出来なくなってしまったらそれはもう
終わりの始まり。
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そう、私たちだって出来る
私たちだってなんとかなる
だって皆出来てるんだもの…
願い虚しく努力叶わず一つの家庭は静かに
終わりを迎える
反省すべき点はいくつもある
けれどやり直しはきかない
それならもうこれから先の人生に向かって
進むしかない
どんなにつらくて悲しくても
思い悩んでも決して元には戻れないし
戻りたくもない
私はただ
私はただ
自分の気持ちに正直に生きたい
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yurika