Sunday’s Book 29「新しい扉を開く小説の世界」
★Sunday’s Book★
明日が憂鬱な日曜日に、読んだらほんの少しココロが前向きになれるような
「心の体温が上がる」本をテーマにご紹介します。
<29冊目>
タイトル「パレートの誤算」
作者:柚月裕子
よく、プレゼンや言いたいことを伝える時には
ストーリーテリングが有効だと言われる。
物語のように起承転結を意識して話す手法だ。
そもそも、歴史は語り部たちが語り継いできたものも多い。
物語は聴きやすく、記憶しやすい。
私が小説を読む1つの理由として
知らない世界に触れられる、という利点がある。
今度ドラマ化されると話題の本「パレートの誤算」を開いて
こりゃあんま好きじゃないかもなと初めは思った。
この作品は生活保護とその不正利用をテーマとしており
私とはあまりにも縁遠い話だからだ。
そして、市役所が舞台と聞いただけで
なんだか退屈そう、と思ってしまったからだ。
(完全なる偏見、、ごめんなさい、、)
それがどうだろう。
市役所の先輩が殺され、その死の謎と生活保護者の闇に
一気に引き込まれ2日で読み終えた。
以前ある先輩に
人は毎日同じことばかりを繰り返している。別の道から帰るだけでも良い、何か新しいことを毎日しなさい
と言われたことがある。
私たちは日々、自分の偏見や思い込み、習慣の中で生きている。
思った以上に新しい一歩を踏み出すのは難しい。
私にとって、そんな新しい一歩をいつの間にか踏ませてくれているのが
小説という存在なのかもしれない。
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