同じクラスのオナクラ嬢 第29話
掃除機をかけ終え、額の汗を拭き、綺麗になった部屋を眺めて「良し!」と私は満足する。普段から汚さないようにはしているけれど、掃除をした後は気分が良くなる。
紫乃はリビングの入り口付近で読書をしていた。今日は、病院に行って下半身のリハビリをする日で、もうすぐ、お迎えのスタッフさんも来てくれる時間のはずだ。紫乃は、本から視線を外すことなく、口を開いた。
「……今日、誰か来るの?」
「え? なんで?」
「なんか、おねえ、張り切って掃除してたから」
「あ、ああ、うん、まあ、友達がね