『ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ』のせいで日常生活がヤバい(※ネタバレなし)
昨日『ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ』を観てきた。泣いた。笑った。良かった。狂ってる。最高。最初の感想はそれしかなかった。頭がぼーっとして、何かを口から吐き出したいという気持ちでいっぱいだった。
ふらふらする頭でエレベーターに乗った。映画を見終えたばかりの人たちで密集してムッとむせ返る室内。不意に全ての電気が消えた。動きも完全に止まって、何人かがざわめきはじめる。すると「ドン…ドン…」と遠くの方から足跡の音が聞こえる。パトカーのサイレン。悲鳴。ガリガリガリといった何かが崩れる音。突如、ガラスの破片が全身に降りかかり、見上げると、こちらを覗く巨大な何かの目…。
ハッと我に帰ると、そんな景色はなかった。手が汗でグッショリとしていた。この感覚には覚えがある。小学生の頃『ゴジラVSデストロイア』を観たときと同じものだ。あの映画の感想を家族と話し合ったとき、自分だけ最後の映画のオチが食い違ったのである。僕の中の物語では、ゴジラは死んでから一度蘇り、街をひとしきり破壊して、登場人物も全員死んで最後は火炎に包まれた街の中でめちゃくちゃ火炎放射を吐いて終わるオチだった。
大人になってもう一度見返したが、そんなシーンはひとつもなかった。おそらく、映画の衝撃(あるいはゴジラの"死”)に精神が耐えきれず、勝手に脳がイメージを補完したのだと思う。
今回の映画も、次々と脳から勝手に妄想が生み出されていった。朝、多摩川の河川敷を散歩していても、遠くにゴジラがいないかどうかで不安になって、急ぎ足で家に帰った。家の家事をしながら、今回の映画のサントラを聴いていると、ラドンが急に空から来て屋根を吹き飛ばすのではないかと怯え、落ち着くためにスクワットして雑念を飛ばした。そのくせ、「ゴジラに会いたい。そしてすべてのものと一緒に滅したい」という思いだけは無限に膨らんでいった。
こんな精神状態なので、ちゃんとした解説を書こうにも書けない。そもそも、いろんなことが手につかないので日常生活がヤバい。しかたないので今日もう一度観に行こうと思う。