りょうちゃんには幸せになってもらいたい #01
この記事は、自分勝手連載「りょうちゃんには幸せになってもらいたい」の第一回目の記事です。
「あれ、あなた、美弥るりかさんのファンでしたよね……?」と思う方もいるはず。そう、去年こんなインタビュー記事に出ていたのは私です。
私は今ももちろん、るりからっと(るりさんのファンクラブの会員。あえててひらがなで書いちゃう)の一員ですが、最近とみに、りょうちゃん(宝塚歌劇団現月組トップスター 珠城りょうさん)の存在が心の中で大きくなっています。
今年の8月に退団を迎えるりょうちゃんに向けて、「りょうちゃんには幸せになってもらいたい」と称して、ぽつりぽつりと書いていきたいと思います。
思ったよりまとまりがなくて、とっちらかりましたが、かけるときにかいておきます。
今更だけど「りょうちゃんとるりさんは、太陽と月だった」
るりさんは二番手退団という衝撃的な退団の仕方でしたが、るりさんの退団間際数年の猛烈な美しさ、とんでもない魅力は、りょうちゃん無しでは語れないと思っています。
※男役が猛烈な魅力を放つ時期って、旬があると思っています。その時のお役だったり、数作前からのお役のめぐりあわせだったり、セルフブランディングだったりのバランス、タイミングによる、短い旬の期間。るりさんはその短い旬の期間にきっちり自分の退団の照準を合わせたプロだと思っています。
りょうちゃんの魅力は、健康的で明るく朗らかで頼もしく、あざとさやずるさが全くない、時には少し不器用さも見えるような、圧倒的な「陽の魅力」。ひねりがない、オチがない、といった要素も包含します。
圧倒的ハッピーエンドな演目よりも、月雲やグランドホテルなどの悲運なお役が、この陽の資質のおかげで輝いて見えます。(なんだろう。スイカに塩をかけると甘く感じる感じ?醤油せんべいにざらめがついていると美味しい感じ?)
以前、OGのジェンヌさんとお話したときに、「舞台の上の姿にはその人の本来の資質が本当に出てしまう」と聞きました。たしかに、少しの目線、目の温度、手の指の開きかた、ほんの少しの指先の向き、あごの角度、立っているときの手の位置…舞台に立つだけでも「その人らしさ」ってすごく出ますよね。
りょうちゃんの舞台を見ていると、もう本当に、りょうちゃんの「陽」の生き方、資質がオーラになっているなと思います。カルーセル輪舞曲で初めてりょうちゃんを見たときの、光り輝く玉を見たような衝撃は今も忘れられません。
美しいお母さん、両親に愛されて愛されて、お兄さんと犬のようにじゃれあって仲良く遊んで、美味しいご飯をいっぱい食べてにこにこしていた赤ちゃん時代、好奇心旺盛でいろいろなスポーツに挑戦、人にも慕われてリーダーになり、お友達との会話でバレエ、宝塚に巡り合っていく少女時代、恵まれた「陽」を感じます。(一部公開情報。一部妄想情報で構成しています)
いっぽうのるりさん、今もるりさんの応援を欠かさない素敵な家族に恵まれ、なんといっても素晴らしいバレエの資質と強運に恵まれた素敵な女の子ですが、幼いころからけだるげな雰囲気のものが大好きだったと公言するとおり、怪しい「陰」の魅力を醸し出すのが非常に上手な役者さんです。
二人が隣にいることの引力
おふたりは、いわゆる太陽と月、そのものだなと思います。おふたりともに、真逆を演じることも上手ですが、おふたりがいっしょにいるときの魅力のコントラスト、バランス、何とも言えないですよね……?
集大成が、2019年6月のるりさんの東京宝塚劇場千秋楽、最後の最後のカーテンコール、りょうちゃんとるりさんが二人で出てこられた瞬間だと思います。
トップスターと二番手、男役と男役、頼もしい男役と中性的な男役、夫と妻、姉と弟、同志…身長差や顔立ちの違いもあいまって、なんとも言えないバランスとコンビネーションだったと思います。
二人とも、二人並んで立っているのが嬉しくて嬉しくてたまらなくて、顔がちかくなっちゃったり、とろけるような顔で見つめあったり、本当に神々しい瞬間でした。あの瞬間、私たちは宇宙の神秘を見ましたね。
いろいろな憶測や邪念を、あの宇宙の神秘は一瞬で振り払いました。
話が長くなっちゃった。
るりさんの有終の美には、りょうちゃんの「陽」が不可欠で、素晴らしいバランスだったと思うわけです。これはいろいろな人がいろいろな考え方を持っていると思いますが、私はこう思っています。
そういう意味でも、私はるりさんも好きだし、りょうちゃんが好きです。つまり二人がとても大好きです。
ちなみに…冒頭の日経ARIAの取材当日、実は、りょうちゃんの退団会見の同日、真っただ中でした。前日に退団を知って動揺し、そのまま取材の準備をして出かけました。私の取材翌日にはるりさんへのインタビューもありましたので、るりさんもりょうちゃんの退団会見を見た直後にインタビューに答えてくださったことになります。
応援したい気持ち
私は、宝塚の舞台に立つ方々を本当に心の底から尊敬しています。美しさや運動神経に恵まれている資質への憧れもありますが、中学卒業くらいの幼い時期に運命に巡り合う強運、トライする胆力、入団後も女性として美しい時期に真逆の性を研究し、ブランディングとプロデュースを重ねながら「集大成」を作り上げていく力。そして、美しさを極める一方でアスリート並みの運動量、自己管理を両立させる力。ちょっと想像がつかないです。
宝塚の舞台に立つすべての方々、卒業したすべての方々に、心から幸せになってもらいと思っています。人生の中でものすごく素敵な一瞬を持った、選ばれた人たちだから。
今ではとくに、りょうちゃん。
第二回目は、「鎧を脱いだトップスター」をかきます。本当に書きたいことは第三回目くらいで書けそう。道のりはながい。