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いや、このビデオは、オデーサへの攻撃がウクライナによる自作自演であることを証明するものではない。
France 24 The Observers 2023年7月28日の記事の翻訳です。
7月22日夜から23日にかけてオデーサの歴史的な大聖堂が破壊されたのは、ウクライナ当局の自作自演であることを示す証拠だとして、ある動画がソーシャルメディアで拡散している。彼らは、ビデオの中の女性があまりにも簡単に瓦礫を拾っているため、本物ではないと主張している。しかし、この女性が拾っているのは軽い素材であり、おそらくポリスチレンだろう。
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1分で読めるまとめ
一部のツイッターユーザーは、オデーサの大聖堂の破壊はウクライナ当局の自作自演だと主張している。
彼らは、女性が石やコンクリートのような破片を簡単に持ち上げている映像があると指摘する。彼らは、これの瓦礫が本物ではなく、全てがでっち上げである証拠だと信じている。
しかし、より質の高いビデオを見ると、瓦礫は軽い素材でできており、おそらくポリスチレンであり、出回った質の低いビデオが示唆するようなコンクリート片ではないことは明らかである。
事実確認(ファクトチェック)の詳細
2023年7月22日から23日にかけての夜、ロシア軍がオデーサの歴史的市街地をミサイルで攻撃し、ユネスコの世界遺産に登録されているTransfiguration Cathedral (救世主顕栄大聖堂)に深刻な損傷を与えた。この攻撃で2人が死亡、22人が負傷した。
数日後の7月25日、ある動画がツイッターで拡散され、大聖堂への攻撃が自作自演であったことを示す証拠であるとユーザー達が主張した。この投稿は200万回以上見られている。
動画はスカイニュースの番組からの抜粋で、2人の司会者がオデーサの大聖堂の破壊に関する報道についてコメントしている。(番組の)レポートでは、大聖堂から瓦礫を取り除く女性の姿が映っている。
「重い石を運んでいる女性達から目を離さないでください」と元のツイッター投稿の著者は書いている。彼によると、女性が石やコンクリートの破片をあんなに簡単に運ぶことは不可能だっただろうと言う事だ。彼は「全てはただの映画に過ぎない」と結論づけた。
7月25日、この動画はTikTokにも投稿され、2,500万ビューを記録した。
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ビデオによると、破片は軽い素材で出来ており、ポリスチレンと思われる
2人の記者の前のスクリーンに映し出されたレポートの左上隅に、白とグレーの「R」のロゴが見える。これは、イラク・クルディスタンのメディア『Rudaw』のロゴである。
Rudawのウェブサイトで、より高画質で放送されたビデオを見つけた。ビデオの01'31“で、女性が拾った瓦礫はコンクリートではなく、ポリスチレンのような小さな白い気泡からなる軽い素材であることがわかった。
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02'25”には、同じ女性が少なくとも8枚の同じ素材の物を運んでいるのが見える。
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爆撃後の教会の後片付けを撮影した他のビデオによると、瓦礫の中からこの白い材料が何枚も取り除かれている。木片やペンキのかけらなども拾い集められ、洗浄された。
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ロシアは戦略的な場所を狙ったと主張
モスクワ側は、攻撃は「ロシアに対するテロ行為」が組織化されている場所だけを狙ったものだと主張している。
7月23日、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「平和な町、アパート群、大聖堂...に対してミサイルが発射された。」「ロシアのテロリストがオデーサで行ったことに対し、必ず報復が行われるだろう」と述べた。
ロシア軍(の攻撃)による犠牲者や被害を否定するために、親ロシア派のアカウントによって画像が乗っ取られたのは今回が初めてではない。