見出し画像

大盤解説会に行った話

叡王戦第3局の大盤解説会の概要がお知らせされたのは5月初旬のことでした。仕事が休み…!しかも火曜日は息子が夕飯を作ってくれる日…!!!
家族の協力で行くことができて感謝しかないです。

柏といえば石田一門のお膝元。初めて来ました。石田先生が解説会の部屋にもご挨拶に来てくださいましたが、お元気そうで何よりでした…

解説会のメインは髙見泰地七段と加藤結李愛女流初段です。そうです髙見先生です…

キャーーッ!幸せすぎて死んでしまいそう。タイトル戦を解説される高見先生を終局まで拝見できて夢のような時間でした…

初手からの解説が本当にわかりやすくて、考えられた分岐の候補手も説明してくださり、結李愛先生の鋭い質問も的確で、ありがたいしかないです。

1分将棋になり、終局までの早い流れも、詰む段階の説明も本当にたくさん教えてくださって、真剣に聞きました。

解説会の構成は(段位でお許しください)

(司会兼PC操作は常に勝又七段)
石田九段ご挨拶
高見七段・加藤女流初段解説
佐々木七段・三枚堂七段解説
岡崎七段・門倉五段・加藤女流初段解説
抽選会
高見七段・三枚堂七段・加藤女流初段解説
佐々木七段・門倉六段解説
髙見七段・加藤女流初段解説
終局
藤井五冠ご挨拶
出口六段ご挨拶
石田九段ご挨拶

の順だったと思います。

石田門下棋士揃い踏み!豪華すぎ。手の解説のほかにも、対局者両先生の印象やエピソード、柏での将棋の思い出など、各々の先生がたくさんお話ししてくださり、とても充実した時間でした!

司会と常に盤面の検討を操作してくださった勝又先生のPCさばきは流石の素晴らしさ…ノンストレス超見易い〜!ありがとうございました。

で、あんな破格でこんなに豪華で充実したこと、聞いてほんとにいいの(¥3,000)?

相変わらずメールでの連絡も受付も席の案内も将棋連盟さまは淀みなかったです。近くあった自販機に気づかなくてどこにあるか質問した関係者の方もとっても親切でした…。

そしてきちんと席があることのなんという安心感…。(※おかげさまでスポーツを観に行ったら席がないという若干の悲しい思い出が徐々に癒されつつあります)


対局は109手で藤井五冠の叡王防衛。難しいけれど、最終盤までわからない大熱戦だったと思います…難しい手がたくさんあったなあ…棋士の皆さんは本当にすごいなあと感嘆しきりです。

お若いのに、ますます貫禄のついた藤井先生…。終盤残り時間7分くらいから強かったな…。終局後すぐはさすがにお疲れのご様子でしたが、拝見できました。

出口先生。私は出口先生の強く踏み込む将棋は素敵だな、と思います。どんなに胆力のいることでしょう…。苦しんで、考えて、脇息に悔しそうに凭れるお姿、凛々しかったと思います。

嗚咽を堪え、両の拳を硬く握りしめて耐えていた出口先生が更に進化されますように。

叡王戦は涙の勝負なのですね。耐え忍ぶ出口先生を見てそっと目を伏せた髙見先生は「皆さんの拍手が感情を揺さぶるんですよね」と仰っていました。

追記。

この部分、あまり詳細に書く気はしなくて、これ以上の写真も撮る気が起きず、私はレンズを下げました。

その後の報道を確認しながら、ああ、私たちは下劣なんだよな、と自分のすることを恥じました。
書いたことにはある程度責任があると思っているので、このまま残すけれども。

質問にはかなりの意見があったようだけれど、撮られた数々の写真がどんどん流れていく様を見ながら、それはいいのだろうか。
こういうことを、書いた私も含め。

と、考えさせられたのでした。

とある場所に、「将棋は美しく棘がある」と髙見先生が書いてある文を読んで、私はその欠片を知りたいな、と思ってこういう場所にも足を運ぶようになりました。残酷な勝負の世界で、棋士の先生方は戦っているのだなと思います。

こちらは、その世界に見惚れます。私は気楽な立場でしかなく、胸の痛みも代わりでしかないのですが、将棋で生きることの厳しさは観る価値のあるものだ、と思います。

そして、棋士の先生はみなさんとてもお優しくて気配りにあふれていらっしゃいました。ファンサービスをしてくださっている光景が其処彼処で見られ、普及活動してくださること、観るだけなのにこんなに記憶に残る体験をさせてもらえること、感謝しかないです。

こんな私も髙見先生との写真撮影会(仮)には並ばせていただいたのですが、出したファンレターのことを覚えていてくださり、あまつさえ撮影後に
「岡崎にもいらしてましたよね?二階席。」
とお声がけくださったのでした。…え?え???

だって岡崎将棋まつり、カメラ寄ってこの距離。二階席、豆だったと思うんですが…???

ヒェェ〜(気絶しそうになった)

ありがとうございました。また生きます。


2022.05.