将棋サミットに行った話
昨年12月に、こういうイベントの観覧の募集があったので…
申し込んでいました。さて、行くかは前日まで逡巡したんですが…。
我が家には息子が仕事で使うので簡易検査キットがあり、私もそれを使って大丈夫だったので行ってまいりました。情勢的にとか、私がどこから行ったのかとか、責められても仕方ないんですが、今回は諦めないことにしました。
飛行機は、翼が出たり入ったりパカパカするのを見るのが好きです。といっても、乗るのは5年ぶりくらいで、若干酔いました。情けない…。
家を出て始発に乗ると、午前中には下関に着けるのね…。
下関生涯学習プラザの、海のホールで行われました。天井が、多分、おさかな?河豚?みたいな。
間隔を空けて、指定席で全員で静かに観覧させていただきました。ありがたかったです。
写真は、不可とも可とも放送がなかったので、控えめです。撮ってる方はちらほらいらしたのかな。
サミットなので、将棋普及に力を入れている地方自治体の皆さまのお話しを伺いました。いただいた資料の中には、パンフレットがいっぱい。
厳しい情勢のために、欠席せざるを得なかった地方自治体の方々のパンフレットもありました。自由に旅行ができるようになったらたくさん行ってみたいです。
PRタイムやプレゼンの時間には、出席された代表の方々のそれぞれの将棋に対する熱心さが伺えて、興味深く聞けました。市長さんとかなので、皆さまほんと冒頭から結びまで、さすが、お話しが上手だなあ…って思いました。
谷川九段の講演会も拝聴しました。とっても楽しみにしていたので、聴けて本当に良かったです。「講演会はやるのですが、今回いつもと違うのは、目の前の座席に佐藤会長はじめ、棋士が10人くらいいること…」と微笑んでいらしていました。列席者の皆様も、最前列と2列目に着席なさっていたので。
スクリーンに映し出される概要に加え、将棋の初手は何通りあると思いますか(×約20○約30×約40)や、▲谷川九段ー△佐藤会長の順位戦の終盤の棋譜で後手には何通り指し手があるでしょう(×171×271○371!)と、クイズ形式で問いかけてくださり、とても面白かったです。(こっそりと両方正解できて私は嬉しかったです)
講演会の内容の列挙は避けますが、あとは、心に残ったお言葉だけ記させていただこうかなと思います。
お話しの流れの中で、載せられているものの抜粋です。
勝負の厳しい世界で生きている、選ばれた特別な方のお話しが聞けることは貴重だな、とすごく思います。セオリー通りのことをしているだけではいけないのも、感じることを大切にするのも、生きていく上でとても大事なものだと感じます。
そのほかには、お子さんの質問に4人の棋士の先生方が答えるかたちのパネルディスカッションや、同日に行われていた将棋大会の表彰式もありました。(お子さんが入ってしまうといけないので、写真は撮っていません)
開会は下関市長と佐藤会長、閉会は井上理事のお言葉でした。生でお声が聞けて、お話しが聞けて、とても嬉しかったです。なかなかないことだと思うので。
最後は公開対局でした。山崎八段と、髙見七段とで行われました。私は目の前の席上での公開対局を観るのが初めてなので…緊張感も新鮮で、とても楽しかったです。
冷静なのはここまで。以降はその…閉じていいと思います…。読んでくださりありがとうございました…
髙見先生の将棋を知ってから、興味を持ってこうして観に行ったり書いたりしている私は、対局のお姿を見ることができて、こう、ちょっと泣きそうになるくらい嬉しかったのです。
超個性的な指しまわしを得意とする山崎隆之八段と、怖い攻めも厭わない髙見泰地七段の公開対局、面白くなるに決まってるじゃないですか…?
と、思いながら見ていたら華やか…と、大盤でも、仰られていましたが、恐ろしいくらいの攻め合いの将棋でした。
先手は山崎八段、戦型は相掛かり。相掛かりにしては珍しい角を九の位置に引いたスタートの山崎八段と、玉頭の歩をどんどん突いていく髙見七段。
私に棋力はないので、形勢判断は分からないですが、2筋にも3筋にもと金があって、銀もいるし山崎八段優勢なのかなぁ?と思っていたら髙見七段の2七(だったかな…)角打から5四馬を作ったところはすごくいい位置なのかしら?と、思って観ていたんですけど、結果は山崎八段がしっかり最後は寄せて(谷川九段が寄せられると仰る解説に応えて)髙見七段の投了。3筋のと金を取ったら違ったかもしれない、という感想戦も少ししてくださって、とても勉強になりました。居飛車も相掛かりも本当に難しい…。
もうね、とにかく、こんな時期ですけれど、生で観られてよかったです。生で観てみたかったのです。髙見先生が指すところを。どうしても。どうしても、です。
将棋って、観ているだけの私はただ楽しいんですけれど、とっても苦しそうだなって思うのです。勝っていても、負けていても、その最中も。私はそれも含め、対局はどれも素晴らしいと思っているのですけれども。
何度か、髙見先生の出るイベントを観ましたが、とても優しい先生です。毎回、毎回、客席全体を眺めて、目線を配り、会釈をして回り、見送ってくださるような気配りのできる先生。
今回のパネルディスカッションの中で、「生まれ変わっても棋士になりたいですか」という主旨の質問がありました。髙見先生は、「18歳で棋士になったときは、ああ生まれ変わっても棋士になろう、と思ったんですけど、10年経って、今は、引退するまで、もういいって燃え尽きるまで棋士をしよう、と思っているかな」という風なことを返していました。
将棋は、負けた方がそれを認めないと終わらない残酷な競技だな、と私は思います。
公開対局とはいえ、悔しそうだった、そう感じました。そんなの、見慣れている方からすると、当たり前なのかもしれません。でも、それが観られることが嬉しかったのです。
手を駒台に差し出して、感想戦のうちに、切り替えて、コメントするまでを、この目で見られたことは忘れないと思います。
素敵でした。強い先生だな、と思います。一緒に少しだけ苦しい思いができて、幸せでした。
来てよかったなと思います。諦めないでよかった。長く、強く、指し続けてほしい、と思いました。ただそれを応援するだけで私はいい、とも思いました。
…さて、恥ずかしい吐露はこのあたりにしておいて、帰りは黙って静かに帰っています。あと、山口に来たもう一つの目的は果たしました。やった。
それはこれ!甘い醤油!!!!!!我が家は、お刺身を甘い西のお醤油で食べることにはまっているのですが、関東の普通のスーパーには甘い醤油は一切売っていないのです。何故なの?こっちにはしょっぱい醤油も売ってるじゃん!!!そろそろ、九州物産展で買った甘い醤油が切れてしまうんだよ!
液体調味料の機内持ち込みは、500×4の2リットルまでと決められていそうなことは事前に調べてきました。なので、4種類買っちゃった…♡
2022.01.