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飽きるまでやってみよう

過去にわたしが担当した
2年間一歩も外出しない世間で言う引きこもりの男子生徒がいました。
ある時、彼と話していると
「先生、飽きるまでやるって大切だよね。」と言ってきました。

わたしは
「飽きるまで続ける、って難しいけどね」
と伝えると、彼は、
「先生、自分は家にいるのが飽きたから、外に出れたんだと思います。」と。

「飽きる」という言葉は、「嫌になる」という意味と、
「十分だと思い、欲しくなくなる。」という意味があります。 

「十分家にいた彼は下界を欲した」ということです。

わたしは以前もお伝えしたように、「外に出る」ことが正しいとは思っていません。
ただ、彼のように
飽きるまで家にいたからこそ、自然に関心が外に向かう子もいます。

十分に納得するまで何かをやらせることは見守る側の忍耐が必要ですが、
そこを大らかに受け入れることができればいいな、と、わたしは思います。

そんな彼も現在は大学1年生。
昨年の今頃、毎日のように
プレゼンテーションと面接練習をしていました。
先生、明日もお願いできますか、と必死に頑張った彼を思い出します。

飽きるまで家にいた彼は
自分自身で船出の時期を決めました。
飽きる、という言葉のイメージが変わった出来事でした。



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