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義務教育からみた、高校進学のリアル
新潟県内の公立高校一般入試の志願状況
が公開されました。
全日制で志願倍率が最も高かったのは、新潟高校の理数科で
2.07倍。
新潟県の高等学校等への進学率は、99.4%
全国でもトップの進学率です。
【都道府県別の高校進学率(2024年6月14日時点)】
1位 新潟県 99.57%
2位 石川県 99.43%
3位 福井県 99.31%
高校進学率が高いという現状。
中学校の学びは、進学のための学習になり
小学校の学びは、中学校のための学習になる
個人的には、本来の学びとは違う方向に進んでしまっているように感じます。
現代の学びと、子どもたちの状態
そもそも本来、学びとは
「知りたい」「やってみたい」から始まるもの。
しかし今の学校では、進学のために勉強することが目的になっていて
自分が何を学びたいのか、を考える余白が少なくなっている。
結果、子どもたちが「勉強嫌い」になっている。
「試して、失敗して、考える」ことを繰り返すのが学びであるにも関わらず、間違えないことに重きを置いている。(受験では特に)
高校進学のリアル
ちょうど、現役の中学校教員の方とお話をしているときに
高校進学について聞いてみたら
高校を選ぶ理由で
ほとんどの学生が、まず「自分の学力で入れそうな高校」から選び、
そこから
「仲のいい友達が行く高校」「キラキラした学生生活が送れそうな高校」「いろんな科目が選択できる高校」「着たい制服のある高校」
で、進学を決めているというお話を聞きました。
(表面的に(親に)話す内容と、現場で先生が感じる子どもたちの本音は、また違うのだろうと思います。)
進学する目的が、「学び」ではなく「居場所」なんだな、と思いました。
(そもそも居場所って、探すものではなく自然に作られるものだと思うんだけど、、まあその話は置いておいて)
日本の義務教育の目的
ここで、中学生が高校を選択する理由のひとつ
「いろんな科目が選択できる高校」について
ちょっと深掘りしたいと思います。
いろんな勉強ができるなら良いじゃん!
と思いそうですが、それは表面的な部分。
考えたいのは、
高校に進学する目的、そして中学までの学び。
進学する目的については、先ほど記述しましたが
中学卒業までに自分のやりたいを見つけるのが日本の教育であって
それをサポートするのが義務教育期間であって
そもそもの教育の目的なんですよね。
【教育基本法 教育の目的】
第一条
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
第二条
教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
・一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
・二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
・三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
・四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
・五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
※第一条の【人格】とは、
個人が持つ思考や感情、行動のパターン、価値観、信念などの総体のこと。
義務教育のリアル
義務教育が終わる15歳の時点で、自分の将来について具体的なイメージが持てていない子が多いのは、
教育の目的が達成されているとは言い難い。
(進学を推している人は、「やりたいことなんて見つからなくて良い」「焦らなくて良い」といった甘い言葉で近づいて来るけど、日本の教育の目的を考えると決してそんなことはない。
日本の教育は、個人が持つ思考や感情、行動のパターン、価値観、信念などの基盤を築くことを目指しているのだから。
子どもたちが自ら考え、判断し、行動できる能力を培うことが教育なのだから。)
なので、高校でも様々な分野に触れて好きなことを見つけようと進学し、
それでも見つからない子は大学へ進学し、
見つからないまま、社会に出されてしまう。
地方を出て大学へ進む子も多く、
就職する際に企業とコネクションが少ない大学は就職も難しく、
それでも地方は仕事も少ないため、戻っては来ない。
そもそも、教育基本法第二条の五にある「郷土愛」なんて、ない。
とりあえずそのまま首都圏などに就職する。
本当にやりたいことも見つからないまま。
まとめ
進学率99.4%という結果から、
高校・大学への進学が当たり前の社会。
今の小中学校は
学ぶための場所ではなく、同年代の子と関わる居場所となっている。
そこに保護者は何百、何千万(塾代込みで)と払う。
犠牲になっているのはお金だけではない。
次回は、AIに考えてもらった
当たり前を選ぶことによってのデメリットについて投稿します。