ざまあみろ

「ざまあみろ、って感じですよね。
人のこと、介護で忙しいからって断っておいて」

HALちゃんが、ぴしゃっと言った。
まりかが言いたくても言えなかったひとことを、ぴしゃっと言ってくれた。
ありがとう、ありがとう、HALちゃん。

二度も先方から会いましょうと言ってきたのに、直前になって、まりかが身内の面倒を見るのに忙しくて、自由に会う時間が取れないから、と、お断りがあった殿方が、自分の父親の面倒を見なくてはならなくなって、3か月以上ぶりにLINEをよこした話。

因果応報。
でも、認知症のお父さまを抱えたアオイさんも大変だろうな、などと思ってしまった。
だから、心の底で思ったことを、口にするのをためらってしまったのだ。

こうしてまりかは、いつだって本当に本当に言いたいことを、言えなくなってしまう。
そしてそれを引きずって引きずって、あるとき爆発してしまう。
小出しにした方が、よっぽどマシだ。

いい加減、いい人ぶるのはやめようよ。
人権を尊重しなくてはいけないソーシャルワーカーである前に、私だってひとりの人間だ。
感情のある人間だ。
恋活で傷ついた女だ。

思ったことを口にしたって、いいよね。

ざまあみろ。