ムラブリの身体性を身につけたい
ゆる言語学ラジオが通勤時間のおともとなって半年、
過去のアーカイブはどれも面白いのだけれど、
最近一番興味を惹かれたのが、
言語学者のフィールドワークについてのお話。
日本各地の方言の分布を調べるのに、地名をもとに聞き込みをするお話や、文字を持たない世界の少数民族の言葉から見る、認知世界の違いのお話など、
言語学の面白さや、言語学者がどのように言語を研究しているのかを知ることができるのはなかなか新鮮で面白かった。
アマゾンの奥地のピダハンの言葉には、「右と左」や「過去と未来」といった概念が存在しないらしい。この話は複数の媒体で聞いたことがあった。
今回初めて聞いたムラブリという少数民族は、アジアのタイやラオスの山岳地帯に暮らす狩猟採集民で、その言葉を研究している日本人の言語学者が伊藤雄馬さんという。
彼が言語学を専攻することになったところから15年の研究生活が書かれた本がこちら↓
『ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと』
文字を持たない世界の少数民族はたくさんあって、消滅危機に瀕している言語も然り、話者もどんどん減っているそう。
それを研究している日本人の存在ってあまり知らなかったのもあり、ほんと面白かった。
「ムラブリの身体性」という言葉、読み進めるうちになんだかすごく沁みてきて、なんだろうと思いつつ、読み終わった。
私が外国語を勉強する理由は、ぼんやりと、言語の背景にある文化に興味があるんだろうなぐらいに思っていた程度だったのが、
今回この本を読んで、私は学ぶ言語の身体性を身につけたいんだな!と、妙に納得してしまった。
伊藤雄馬さんがムラブリ語の音が好きだと言っていたが、私も外国語の音や響きも好きで、
街中で聞こえてくる外国語には耳を傾けずにはいられない。
次はこれも読んでみたい↓
『なくなりそうな世界のことば』
まとまりのない話になってしまいましたが、
ムラブリの本とてもおすすめです。
以上。
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