(3/4) PMF(Product Market Fit)した時、どのような感じなのか
先日の続きをLenny Rachitskyさんのブログよりお届けいたします。
(1/4)はこちら
(2/4)はこちら
参考までに、(1/4)で述べられていたPMFの3つのサインは下記となります
1. 市場からの突然の強い"ひき"
2. 徐々にではあるが、様々な形での市場からの"ひき”
3. プロダクトが受け入れられていることを証明する"マイルストン"の達成
Sign 2: Steady and compounding pull from the market
substack
”初期の頃、PMFに関して心配していました。PMFしただろうか?どうやってそれがわかるだろうか?それが変わったと言える明確な瞬間はありませんでした。私たちはただ常に成長してきただけで、どうやってこれを維持すればいいのかという心配は大きくなる一方でした。PMFしただろうかと考える時間が無くなる日まで。
初期のころから、特にお金を払ってくれる読者とそのライターのリテンション率はとても良かったです。"
- Chris Best, CEO 兼 co-founder
SUPERHUMAN
"創業者、マネージャー、エグゼクティブ、事業開発のプロといった特定のセグメントでPMFの片鱗を見たんです。これに気づいてから、万人ウケを狙うのではなく狭いセグメントに対して会社全体でフォーカスすることができました。
小さいターゲットのためにプロダクトを絞りすぎるといつか成長が止まってしまうときがくる、と一般的には思われていますが、我々のケースではそれはあてはまらないと思っています。
PMFを最も感じた瞬間は、私があるカンファレンスに行ったときのことでした。その場を立ち去る前に、Growth担当のトップに各トラクションの分析をアップデートするようにお願いしたんです。
そこで私が見たのは、すべての指標における素晴らしい水準でした。成長率、DAU/MAU、PMFスコア、NPS、バイラル性、CAC payback、CAC:LTV、アクティブ化率、長期的リテンション率、等々。その時、これをSeriesBのデックに入れ込めば、きっとすごいラウンドを調達できるんじゃないかと思ったんです。実際そうでした。
数か月後、SuperhumanはNew York Times、Economist、Guardianのトップページに載りました。"
- Rahul Vohra, CEO 兼 co-founder
instacart
"PMFは何度も感じました。非常に初期の頃は、どのお店から来るかは気にしないからできるだけ早く食料品を届けてほしい人たちに対してPMFしました。PMFは感じましたが、非常に小さいセグメントの顧客に対してのみでした。
普通の顧客は好きなお店から買い物したいと思っています。ですから、トップの小売店とパートナシップを組みました。
その結果口コミが広がりました。そしてさらに多くのパートナーと契約し、顧客規模が拡大し、それがまた多くのパートナーを惹きつけることになりました。
究極的には、私たちは顧客が好きなお店で買い物ができるマーケットプレイスを作ったのです。その結果、顧客はInstacartでいい顧客体験をし、家族や友人に広めたいと思うようになったのです。
最初のPMFのサインは落ち着いた深呼吸のような感じでしたが、本当のPMFは背中から力強い風が吹くような感じで、前に進むスピードを加速させ、またそれは何度も訪れました。"
- Max Mullen, co-founder
Nextdoor
"PMFに到達したその日を私は明確に覚えてますよ。当時Nexdoorを使っていた隣人は10組程度しかいませんでした。エンジニアがデータベースをアップグレードするために、1時間程度サービスをオフラインにする必要がありました。小さいチームだったので、彼はそのデータの移行を週半ばのランチタイムに行うことを決めたんです。当時数百人もユーザーがいなかったので、だれもサービスがダウンしていることには気づかないだろうと思ったんです。サービスをオフラインにしてから10分後、心配したユーザーからメールや電話がかかってきました。Nextdoorに何が起こったの?とあるユーザーはパニックになって電話してきました。彼女は隣人の情報がすぐに必要だったのですが、Nextdoorのディレクトリが使えなかったからです。別のユーザーはサービスが突然なくなったんじゃないかと心配していました。私たちは昼休みから急いで戻り、できるだけ早くサービスをオンラインに戻しました。何も通知せずに日中にサービスをダウンさせたことは完全に間違いでした。しかしよかった事は、人々の生活にとって重要なものを作ったんだとわかったことです。ユーザーが数分以内にサービスが使えないことに気づいたんですから。
もしユーザーが緊急に電話をしてきて製品にアクセスできるように求めてきたら、本当に価値のあるものを作ったと言う事です。これがPMFです"
- Sarah Leary, co-founder
DATADOG
"突然新規ユーザーの流入が増加することはありませんでしたが、β版を公開したときから、常に新規ユーザーが流入してきています。そしてAlertingのようなキーとなる機能を追加したときには、ユーザーがもっともっとアクティブに製品を使うようになっていきました。それ以来、常に新規ユーザーが入ってくる状態が続いています"
- Olivier Pomel, CEO 兼 co-founder
pagerduty
"PMFしたという明確な瞬間は思い出せないです。というより、PMFに到達したんじゃないかという確信が、時間とともに深まっていく感じでした。
PagerDutyのβ版を2009年の夏に、有料版を2009年の12月にローンチしました。
初期バージョンは、Alerting周りの機能に特化したもので、インシデントや同時に発生したインシデントをトラックする機能はありませんでした。すぐにこのニーズに気づき、2010年の初めにインシデントをトラックする機能を追加しました。
2010~2011年にかけて指数関数的な成長を遂げました。記憶が正しければ、MoMで10%以上の成長率でした。(ただしまだまだ規模感としては小さく、ARRが100万ドルに到達したのは2011年のことです)
2011年の半ばに喫緊の課題を解決した際、PMFに到達したと確信しました。というのも、致命的な課題をすぐに解決していたため、長期的に顧客やビジネスへ悪影響を与える可能性を回避でき、急激な成長を遂げることができたと思っています。"
- Alex Solomon, CTO and co-founder
looker
"正式ローンチ12ヵ月前のプレローンチ期間の顧客は10社でした。それも、創業者の営業とネットワークで獲得した顧客です。PMFはまだしていないと言ってよいでしょう。しかし、これがメインストリームなのかニッチなバイヤーなのかはわかりませんが、何かを感じていました。
背景を少しお話しますと、これらの顧客は私たちの典型的な分析ソフトの買い手ではなかったですし、彼らは当時data warehouseやBIツールといった分析ツールを何も使っていませんでした。
データを使ったプロジェクトで困ったエンジニアたちでした。
彼らは根っからの開発者で、Lookerに魅力を感じていました。
なぜなら、バックエンドでは開発者向けのコードベースの方法で分析を行い、フロントエンドではビジネスサイドの誰もが使えるUIになっていたたからです。
ローンチ5ヵ月後ほどで、我々がこの市場での次世代BIツールとなりうる2つのことが起こりました。つまり、市場が変化したことで、私たちの製品がフィットしたのです
1. 一度Lookerを使うと、初期のエンジニアのユーザーのようにLokkerに魅了される、製品やデータを扱う新しい世代の人たちがいるということがわかった
2. AWSがRedshiftと呼ばれる新しいクラスのクラウド内データウェアハウスをローンチ。これによってはじめてデータハウスへのアクセスと集計が容易になり、またこれはAWSの大ヒットとなった。これによって、データ市場は大きく変わり、我々の製品が完璧にフィットしているということが明らかになった"
- Keenan Rice, 初期メンバー
GUSTO
"創業チームとして、我々は自分たちにとても厳しく、顧客のために何が改善できるか、何が壊れていてどうやって直せばいいか、集中するするようにしていました。なので、PMFに達してから2~3年後に初めてPMFに気づいたんです。でも振り返ってみると、PMFを示すサインはありました。マーケティング、製品、ケアに大きなギャップがあったにも関わず、常に高いNPS(80点以上)、低いチャーン率、MoMのオーガニック成長率は常に最高を更新していたんです。"
- Tomer London, co-founder