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【SAPプロジェクト日記】#2 SAPとは(非エンジニア向け)

こんにちは。Yuriです。
フリーランスとして、企業からの業務委託でプロジェクト推進やトレーニングをしています。

最近、非エンジニアとして、SAPプロジェクトメンバーにアサインいただきました。

【SAPプロジェクト日記】#1プロジェクト推進メンバーにアサインいただきました|Yuri @フリーランス (note.com)

今日はそのプロジェクト日記の2回目。「SAPとは?」というテーマで記事にしていきます。

・SAPについてよく知らない
・名前は知っているけどよくわからない
・SAPユーザーだが、使いにくくてSAPの何がいいのかわからない

という方の参考になる情報がありましたら幸いです。


SAPとは

SAPとは、ドイツの企業SAP社が開発した企業向けの業務ソフトウェアを指します。SAPは、ERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアの世界的なリーダーであり、企業のあらゆる業務プロセス(財務、人事、販売、在庫管理、製造など)を統合的に管理するために使用されます。

SAPは「エスエーピー」と呼ぶのが正しいようですが、日本では通称「サップ」と呼ばれることも多いです。

私の職場でも、海外拠点のエンジニアメンバーは「エスエーピー」と呼んでいますが、日本法人のメンバーは「サップ」と呼んでいます。

SAPのERPシステムは、特に大規模な企業において、業務効率化やデータの一元管理、リアルタイムな情報の提供を実現するために導入されています。また、SAPにはさまざまなモジュールがあり、企業ごとのニーズに合わせてカスタマイズが可能です。

たとえば、以下のようなモジュールがあります。

FI(財務会計): 財務・会計に関連するプロセスを管理します。
CO(管理会計): 原価計算や予算管理などを行います。
MM(購買管理): 購買および在庫管理をサポートします。
SD(販売管理): 販売プロセスを管理します。
ユーザーはこのSAPシステムを使用して、企業の各部門が統合された形で情報を共有し、業務の効率化を図っています。

SAPは世界のERP市場シェアトップ!


Apps Run the Worldのウェブサイトによると、世界のERP市場におけるシェア1位はSAPです。

1 SAP
2 Oracle
3 Intuit Inc.
4 Microsoft
5 Constellation Software Inc.


Apps Run the Worldウェブサイトより 
https://www.appsruntheworld.com/top-10-erp-software-vendors-and-market-forecast/

特にエンジニアではないSAPユーザー経験がある方だと「なんでこの使いにくいシステムが世界一位なの?」「導入費用高いのに」と正直疑問という方も多くいるのではないでしょうか。

非エンジニアとしてSAPプロジェクトに参画するにあたり、いくつか本を読み、詳しい人に話を聞き、一般的にSAPが人気を誇る主な理由をまとめましたのでご紹介します。

SAPが世界シェア1位を誇る主な理由①豊富な機能と柔軟性

SAPのERPシステムは、財務、販売、製造、人事、在庫管理など、企業のあらゆる業務プロセスを網羅しており、さまざまな業界や規模の企業に対応できる柔軟性を持っています。さらに、企業のニーズに合わせてモジュールを組み合わせることができ、非常に高いカスタマイズ性を提供しています。この柔軟性により、複雑な業務要件にも対応し、業務全体の効率化と最適化が可能です。

SAPが世界シェア1位を誇る主な理由②業務プロセスを最適化できる

実務に関わってみて日々感じるのがSAPは「業務全体の効率化と最適化」に強いという点です。

特に日本の製造業ではボトムアップの改善活動が盛んです。ボトムアップも重要なのですが、一方、ボトムアップのデメリットとしては全体最適になりにくい点です。どうしても現場視点の改善だと、企業全体を俯瞰して最適化する視点になりにくいからです。

現場としては「改善」のつもりが、全体でみると業務が複雑化している、優先順位付けができておらず、なんでもかんでもやってしまい、結果として長時間労働の原因のひとつになっている、ということはないでしょうか。

SAPはどの現場でも使える標準的なパッケージです。重要なポイントは抑えていますが、Nice to haveの重要度が低い業務プロセスはありません(いかにもドイツのパッケージという感じがします)

特にボトムアップの改善活動が盛んな日本企業で業務効率化をしたいという企業は、これまでの業務プロセスを敢えてSAPにのせることで、業務の最適化をするいい機会になると思います。

なお、今日は詳しく書きませんが、やはりSAP導入となると、業務を全体最適するがために起こる「今までやっていた業務を辞める/変える」といった変化が生じます。現場スタッフからの反発は当然ありますので、現場メンバーに対してどのようなリーダーシップを発揮していくかがSAPプロジェクト推進のカギとなっていきます。この話はまた後日日記として書いていきます(現在試行錯誤中)。

SAPが世界シェア1位を誇る主な理由③グローバルでの信頼性とサポート再生


SAPは世界中で広く導入されており、グローバルなサポートネットワークと多言語・多通貨対応の機能を持っています。多国籍企業や大企業にとって、国際的なビジネス要件に対応できる信頼性のあるソリューションが非常に重要であり、SAPはその点で強みを発揮しています。SAPの導入実績と長年の経験は、多くの企業に安心感を与えているのではないでしょうか。

私がプロジェクトに参画させていただいている企業様も、まさにグローバル企業。欧州、アジアを中心に世界各国に拠点をもっています。

異なる拠点でも、共通で使えて、かつ、現地の言語対応している機能を備えているというのは、グローバル企業にとってメリットが大きいと言えます。

非エンジニアビジネスパーソン向け 「SAP」おすすめ書籍

「SAPとは」「SAPが世界シェア1位の主な理由」について記事にしましたが、いかがでしたでしょうか。

ユーザー視点では「SAPは正直使いにくい」とずっと感じていましたが、こうして調べてみるとSAPが世界シェアトップとなる理由もうなずけます。

SAPについて色々書籍を読みましたが、非エンジニアでSAPのことをよく知らないけど調べてみたい、というビジネスパーソンの方がまず手にとる本としては、『SAP 会社を、社会を、世界を変えるシンプル・イノベーター』がおすすめです。SAPの全体像、歴史などが非エンジニアビジネスパーソン向けにわかりやすく、かつ詳細に書かれています。ご興味ある方はぜひ一度読んでみてください。

ご紹介したメリット以外にも、タイムリーに企業活動を可視化できる、ソフトウェアの機能としての強み、内部統制の強み、などSAP導入が企業にとってどんなメリットがあるかを理解するのに有効な1冊です。


今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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