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恋煩いの時間薬

その運命の日は ある日突然やってきた
それなりのいい年齢になり
公の場所に向かう予定だった私は
完全に油断をしていた

そして彼と出会ってしまった
彼 と向かい合った時
何故か目が離せなくなった
彼の方も驚きしばらく見つめ合った

『まだ 覚醒していない…』

何だか変な声が頭に聞こえてきた

そして 気がつくと 私はある病気になっていた
それは "恋煩い" と言う病気だった

それから 何故だか 彼が忘れられなくなり
知らない人なのに 何だか懐かしく
親戚のように思ってしまった

一度しか会ったことないのに
正直彼しか考えられなくなった
それは もうかなりの重症であった
でも何故か彼には不思議な程
あっさりと対応してしまっていた

彼と見つめ合って気持ちが通じたような
気がしたのに
彼はそれから顔すら見せてはくれなかった


もう逢えることはないだろうけど
まだ 今も忘れられない彼

私の事なんて
どう思ってるかなんて知らないけど

何もかも捨てたくなって 彼のいる場所へ
行きたくなって 眠れなくなった日々

この病気の薬はきっと"時間"
私は毎日 毎日この薬を飲んで
心と記憶を少しづつ落ち着かせてきた

いつか完全に薬が効く日が来るまで
私は遠くの場所にいる彼を
思い続けるのだろう…












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