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法悦の詩
はるか西の薄暗い山々の稜線に
磔(はりつけ)にされたいくつもの鉄塔が
突き刺さる
それは身動きがとれない"私の心"
山々とは対象的な
柔らかな夕暮れの光が
今日の最後を照らしていく
暗い色をした山々は次第に
光に照らされて
黄金に輝く
薄暗いどんよりとした雲が
山の稜線と"平行"に伸びる
雲と山の間に広がる
薄い青空と山々の美しい世界
その美しい黄金の光の世界が
繋がれた鉄塔を優しく輝かせる
鉄塔に"光明"をもたらすのは
"人"なのかそれとも"仏"なのか
私の心に"法悦"をもたらすのは
"教え"なのか"肉体"なのか
闇と光が入り交じる世界
喜びと切なさが入り交じる私の心
蛙達が騒ぎ始めた
冷たい風が吹き始める
畦道の"子猫達"はじゃれ合いながら
帰り支度を始める
でも結局 母猫は迎えには来なかった…
今日もまた雨が降り始めた…