在外研究準備vol.2ー出願と受け入れ正式決定
1. 出願が必要だった
過去に在外研究に行った先生方のお話を聞いたり、在外研究に関するブログを読んだりしていると、指導教官を見つけさえすれば一安心、受入機関は決定してそこから受入先の大学事務とやりとりしながら準備を進めていく・・・のだと思っていたのですが、実際はそうではありませんでした。コロンビア大学ロースクールでは、Visiting Scholar Program という在外研究員向けのプログラムに出願し、審査に通る必要があったのです。2023年秋に在外研究を開始する場合、1月15日が出願の締め切りとなり、審査には約2ヶ月かかるとのことでした。
出願に必要な書類は、①履歴書(C.V.)、②研究計画書(1ページ)、③業績リスト、④推薦状2通でした。私は、夫が英語ネイティブなので、彼に全ての書類のチェックをしてもらいましたが、本当であればお金を払って英文校正に出す必要があると思います。
審査に約2ヶ月かかる・・・ということは、受け入れが正式決定するのは早くても3月中旬ということになります。しかも、コロンビア大学のVisiting Scholar Programは人気があるからでしょう、結構落とされるという噂も聞きました。私の勤務校には、8月中旬から在外に出ると申請を出しており、私が不在の間に授業を担当する臨時教員も既に採用されていたので、これで行き先が決まらなかったら一体どうなるんだ?とまたも悶々とする日々が続きました。
2. 無事、受け入れが決まる
結果的に、4月末になって、ようやく受け入れ決定の連絡が来ました。メールには、「Visiting Scholar Programには定員を上回る多くの応募があり、・・・あなたは選ばれたグループの一員です。」と書かれていたので、やっぱり落とされる可能性があったようです。
少し調べてみましたが、最近のアメリカの主要大学は、昔のように知り合いの教授の伝手に頼る方法よりも、コロンビア大学のように窓口を設けて出願させる方法をとっているところが多いようです。大学によっては、その大学の教員に受け入れを認められたという推薦状を出願に際して提出させるところもあるようですが、コロンビア大学は、出願に先立ってコロンビア大学の教員とコンタクトを取ってはならないという注意書きが出願書類に記載してありました。私は、その辺りのことをよく理解しないまま、とりあえず指導教員探しから始めてしまったわけですが・・・。
こうした最近の事情に鑑みると、在外研究の行き先探しをする際には、複数の大学に出願することが必要かもしれません(もちろん、分野による違いはあるでしょうが)。私のように1本に絞って出願して、万が一落ちてしまったら、また色々な手続を最初からやり直す羽目になります。
今回、勤務校側の制度と受け入れ大学側の制度のギャップにずいぶん悩みました。勤務校には、2年前から在外に行くと声をあげ、1年前には仮のものとはいえ行き先や期間を具体的に申請します。しかし、そうした行き先や期間は、受け入れ大学側の制度の都合上、在外に出る6ヶ月前くらいにならないとわからないのです。