エコ割、ただの好奇心、家、プラネタリウム
夏場のアイテムとして取り入れたはずのキャップはいつの間にか寝癖隠しとしてフル回転している10月某日。「エコ割」で安くなっていたからとレジに持っていった商品が全部消費期限切れでレジで弾かれて、代わりにって正規の値段の品を店員さんが持ってきたが高値だからと断ったとき本当に情けなかった。商品選び直してて「廃棄間に合ってなくてすいません…」と声を掛けられ大丈夫ですよーと笑顔を見せたつもりだったがどうしてニッポンの人は急にレジでラーメンを食べたくなくなるのかと彼女の目には奇妙に映っていたに違いない。
「結局のところ本質は同じ」って言っているものに納得できたことがほとんどなくていや違うだろって思ってしまうひねくれを許してほしい。生きてたら好きなものってどんどん増えていく。幸せなことではあるんだけど本当に好きなものは自分の中で選ばなきゃいけない。芯、核、根、こう呼ばれるものっていうのは本当に好きなものだけが形作るんだと思っている。あいまいでいたくないからどこかで線を引く。俺と他の誰かとで向き合い方もまつわるものもきっと違う。
OGRE YOU ASSHOLEが好きだ。普段聴いていることを頻繁に公言しているわけじゃないが、高校生当時9mm Parabellum BulletやASIAN KUNG-FU GENERATIONばかり聴いていたが、いわゆるインディーロック的な概念すら知らない状態で「しらない合図しらせる子」を聴いて、こんなカッコいい音楽があるのか!!!と衝撃を受けた。住んでた街のTSUTAYAには一作も置いていなかったのでレンタルCD入荷させてみんなに聴かせてくれよオラ!!!とTSUTAYAに過去作全て買ってもらった。当時はお客様相談窓口からレンタルに欲しいCDの物申しを簡単にできる時代だった。最新作の「自然とコンピューター」も良かった…無機質さと温もりが共存する音楽もいい。
妹にお茶わけてあげなさーいと妻にたしなめられた子どもが「しょうがないからあげるね!」とぶっきらぼうにボトルを渡してて、あ、これが天然のツンデレなのかと良いものが見れた気分になった。概念知らずの自生ツンデレ。
仕事終えて家に着いてからガッカリしてメソメソすることが僕自身今でもあるんだけど、子どもたちが寝るときには機嫌直さないといけない。翌朝家を出る時の記憶ってきっと残らない。万が一自分の身に不幸があったときの最後に家族で過ごした記憶がこんなんだったら嫌だなあ、現世の心残りだなあと考えてしまう。おやすみはちゃんと笑って伝えよう。
10月は久しぶりに死ぬような思いをし月締めでもう一度死にたくなったことを思い出しながら仕事した。クソッタレ共に愛を、OMSBから君へ、この2曲を聴きながら身体痛めながら仕事した。この悔しさを忘れないためにここに記しておく。苦しい時に聴くと素面だろうと普通に涙出る。
バンド、ゆれるのGt/Vocalあみさんの弾き語りに行った。あみさんは最も尊敬するミュージシャンのひとりだ。「徳川家康が最も恐れた男」ぐらい最も尊敬するミュージシャンは俺の中にいるけど、その筆頭だと思ってほしい。「鑪ら場」というライブスペースで開かれた企画だった。外から見ると飲食店のような佇まいで、入ってみても印象は変わらなかった。さまざまな大きさのテーブルが並んでいて、あみさんに一番近そうなとこに座ってみたが二人掛けにしては机が小さかったので「隣いいですか?」と自分から声を掛けてもうひとつ隣の横長のテーブルに相席させてもらった。ふと、たぶんフォローしてる方よなとぼんやり思いつつ確証は持てないのでから揚げ丼食べてたらずっと会場でポチポチしてたTwitterきっかけに「もしかしてクツワさんですか?」と逆に声掛けてもらってしまい驚いた。頑張って平静を装った。とても穏やかで優しい方でした。
あみさんは1月以来に見た。座っての弾き語りだったが椅子が小さく、というより気迫のあまりそこに留めておくにはすごく狭く見えてしまった。echo、sweetyou、ゆれるのアルバムでもおなじみの弾き語り曲はもちろんのこと、あんなに激しいBPMもここでは優しく響いていた。「魚に羊、化ける草」が始まると空気が変わるのを感じた。「カバーすると音楽家としてのつたなさみたいなのを思い知っちゃうから」と謙遜しながら始めたのはピロウズのFunny Bunny!過去にカバーしたのも知っていて、なんとなく今日演奏する気がしていた。啜り泣く声も聞こえた。自分の大切な歌を憧れのミュージシャンが歌ったりするようなことあればどんな気持ちになるのだろうか。そのあとの「ニビイロノケムリ」と「家」もすごく良かったなあ…「もうこれ以上何も上手くいかなくていい」歌い出し大好きです。弾き語りのライブって初めて行ったけどこんなに良いもんだとは思わなかった。またふたりエッヂであみさんと山田亮一を見れるのが本当に楽しみです…終わったあと少しの時間あみさんと話すこともできた。地元と母校同じってことに驚かれていました。
子どもの運動会を見た。たどたどしく踊る姿は可愛かった。ランチは子供の好きなコメダに行った。夕方には沈む船かもねーなどと予想しながら、昼間は上の子と妻に昼寝をしてもらい、僕は末の子と遊んだ。そういえば行き帰りの車の中で音楽を流していた。妻はほとんどのバンドに興味はなく音楽を普段から聴く趣味もないのだが、ストレイテナーの「シーグラス」は結構気に入ってるっぽい。運転は好きじゃないがそんな反応を横目に見ているのもドライブは楽しい。シーグラス名曲よな。
CRYAMYから野音へ来た人たちにあるお願いをしていた。俺がCRYAMYを見たのはあの一度きり。きっかけはアルバム「世界」に強いショックを受けたこと。あのタイミングでCRYAMY、カワノさんに出会えてよかった。早すぎても劇薬、遅すぎては野音に間に合っていたかわからないから。実はひらけた場所でライブを見たのが初めてというのもあってかあの日の光景は今でも鮮明に浮かんでくる。日が沈む前のGOOD LUCK HUMAN、夜空の下プラネタリウムを歌っていた頃の風景。野音で教わったのは来たるその日を目指してひたすらその音楽に永い時間向き合うことの尊さもあった。そんなことを急に思い出した。俺からは何が返せるだろうか。子供の初サーティワンの動画が送られてきた。目の前で見届けられず、無念…その日仕事が終わって夕食のオムライスを食べていると、子どもがいつか貰ったクチャクチャの科学館パンフレットを手に「天の川たのしかったなあー!」と伝えてくれた。あの子は僕から怒られたことをよく、というより全部覚えてるんじゃないかってぐらい記憶していて、たまに思い返しては悲しかったこと、教えとして守っていることを話してくれる。少しずつでも楽しい記憶で忘れさせてあげたい。悲しい思いをしなくてすむように。