最近の記事

鮮やかなる通過

ペトロールズのドラム、河村俊秀さんの訃報を聞いた。嘘だとは思わなかったが、受け止めきれずうなだれてしまった。僕がたくさんの音楽に出会う前、最初に好きになった音楽のひとつが長岡亮介の綴る歌、ギターだった。そこから長岡亮介について調べていくうちにペトロールズにたどり着く。いくつかの動画がネット上にはあった。「OSCA」「雨」だったと思う。中学生の俺の感想は「なんか事変と違うな」だった。洒脱で幽玄な彼らの音楽の良さは、まだ届かなかったんだと思う。一旦ここで接点は途切れる。 再び出

    • エコ割、ただの好奇心、家、プラネタリウム

      夏場のアイテムとして取り入れたはずのキャップはいつの間にか寝癖隠しとしてフル回転している10月某日。「エコ割」で安くなっていたからとレジに持っていった商品が全部消費期限切れでレジで弾かれて、代わりにって正規の値段の品を店員さんが持ってきたが高値だからと断ったとき本当に情けなかった。商品選び直してて「廃棄間に合ってなくてすいません…」と声を掛けられ大丈夫ですよーと笑顔を見せたつもりだったがどうしてニッポンの人は急にレジでラーメンを食べたくなくなるのかと彼女の目には奇妙に映ってい

      • 言葉は足りない優しくなりたい

        なんで頑張らなければ休日を平穏に過ごせないのかという不服はある。もうちょっと寝てていいよと妻が言うと、長女がふとんを掛けてくれた。幼いなりにモタモタしてて可愛かった。とある日は「おとうさん!8時間だよ!」と八時半を言い間違えながら叩き起こされたこともあった。ボキャブラリーにない言葉の言い間違いはこの年齢の子どもだと多いらしい。 言い間違いといえば車の中で時速36kmの「真面」を聴いていたとき、娘からだれの歌?バンプ?って聞かれた。この子はとりあえずバンプ?星野源?って聞く定

        • 夏、あの日々のつづき

          夏っぽい写真を探した。僕が夏を好きでいられる理由なんてせいぜいデラウェアの旬、ということぐらいかもしれない。元々外でバリバリ遊ぶようなタイプではなく、家でひっそりジメジメしているのが好きだ。出かけるにしても映画館など暑さを避けて行動していた。子どもが大きくなったことでようやく出掛けることに抵抗がなくなった。子どもに連れ出されるとは何事かと。あの子たちにきっかけをもらえている気がする。子が親に注いでくれるものだけが無償の愛のような気がする。その気持ちは忘れずに家族に報いたいな。

          ヒューマンオーケストラ

          やっと届いた人もいれば、どうしても見届けられなかった人だっているから、またいつか会える日が来ないかと願ってます。6/16、CRYAMY日比谷野外音楽堂公演までの一週間の日記を書く。タイトルは「世界」がリリースされる前、CRYAMYのセカンドアルバムの製作が発表された当時の告知から。このアルバムタイトルもカッコよくて好きだった。当時は「月面旅行」とテリトリアル、普通、物臭ぐらいしか曲知らなかったけど、次のアルバムがスティーヴ・アルビニのプロデュースになるというニュースを知って気

          ヒューマンオーケストラ

          月曜日乗り切りたければ土日働け

          目覚ましが鳴らずに起きることのできためずらしい朝だった。時計を確認していたら「…そろそろ起こしにいってもいい…?」という娘の声がしたので眠ったふりをした。部屋に入ってくると小さな声で呼んできたので、寝返りを打ちながら白目剥いて満面の笑みを披露した。「ヘンナ…ヘンナカオシテル…」とデュフフ笑いを見せてくれた。食卓に向かうとまだ寝ている小さな妹のために声を潜めていたんだと気付いてまた嬉しくなった。 妻も労働を再開した。夫の給与だけでは生活が回らない状況になっているため可能な限り

          月曜日乗り切りたければ土日働け

          実は見たことないアーティスト

          以前こんな話をツイートしたことがある。 これまあまあ共感抱く人いたみたいで、そのアーティストのことをもっと知りたい!となったとき、僕の場合は引き続き音源を聴くことに没頭してしまう。ライブ映像見よか…とはならない。あんまりライブ見に行くサイクルにもまだ至ってないし…前に好きなブロガーが「aiko好きだけどテレビ見ないからaikoが関西弁で喋るの知らない」と書いててさすがに嘘でしょと思ったけど、今は共感できる。 そんなわけで「姿はまだ知らないけど俺の好きなアーティスト」を紹介し

          実は見たことないアーティスト

          一番腹立たしいことは

          本当はいつもイライラしている。日々のもどかしさや未来にそびえたった絶望(Tower)、忘れられない仕事の記憶・恨みなど、それらをだましだまし生きているが趣味に没頭する以外の解消法として「一番腹立ったことを思い出す」がある。怒りを覚えるじゃなくて腹立つなのがポイント。政治とか陰惨なニュースのことは明確な怒りを覚えるので違う。これまでで一番腹立つエピソードは「泥酔した父親が知らないはずの歌でめちゃくちゃなコーラスを入れてきたこと」です。 たしか20歳のときの話。父親と場末の立ち

          一番腹立たしいことは

          全作良い、どこからでも聴けるアーティスト

          「〇〇(バンド名)は何から聴くといいですか?」といった趣旨のツイートを見ることがある。好きな作品や代表作をおすすめすると思うが「どこから聴いても良いと思う…」と感じるアーティストもわずかだがいる。そもそも「今どきアーティストを知るときにわざわざアルバム単位では聴かない」という風潮もあるけど、せっかく勧めるならある程度まとめて勧めたい気持ちが働いてしまう。いくつか紹介していこうと思う。 teto2022年に「the dadadadys」に改名したことで、一旦キャリアに区切りを

          全作良い、どこからでも聴けるアーティスト

          S.P.L聴いたら

          AprilというThe Birthdayの最新作が先日リリースされた。チバユウスケの遺作であり最後の肉声。正直言うと大きな期待とかはしてなかった。聴かせてくれてありがとな〜みたいな気分でいた。 みなさんにとって初めてのチバユウスケは?フェスで何度も中断しながら「…倒れてるやつはちゃんと起こしてやろうぜ!」って呼びかけてたアレとかMステのアレとか不朽の名曲シャロンとか、色々あると思うけど自分はまさかの「母親がレンタルしてきたQ;indiviのゲストボーカル曲」がチバユウスケと

          S.P.L聴いたら