iPhoneを新しくするということは、新しい何かに触れることでもある

ついていけない。人間だけではなく、機械ですら。

スマートなフォーンであるiPhoneですら、そのままでは時代の流れにはついていくことができないのだ。

時が流れるということは「2つの現実」を突きつけられる、ということかもしれない。

1つは時がつれてきた、新しいものごと。
これに適応するか、できずに下を向いてやり過ごすか。

そして2つめは、古くなっていくこと。
これを受け入れることができるか。そのうえでどうするのか。


ついに発表されたiPhone16。
僕のiPhoneXS(64GB)と比べると、なんかもう凄い。

年内にはアップルインテリジェンスなんていう、AIも使えるようになっちゃうらしい。
※注:まずは英語のみとのこと

カメラもすごいし、そのほかもなんか凄い。
とにかく凄い。

iPhone16は、新しいものごとのチカラとその始まりを感じさせる。
それと比べて、僕のiPhoneXSから感じるのは「また古くなる」という事実だ。

バッテリーは摩耗して夕方には瀕死。
イヤホン接続部は不具合で接触不良をおこしており、充電ができていないこともある。

さらにはセンサーがいかれたのか、画面を横にしても常に縦で固定される始末。

それでも別に良いのだ。

僕は普段ほぼほぼ、スマホを使わない。
メモとLINEくらいだ。

仕事や何かを書いたりするときは、基本パソコンで行う。
調べ物もパソコンで行う。

会社からの連絡はチャットのみで、電話はかかってこない。

スマホゲーも、2年前くらいに封印した。

パワプロとパワサカで結構なお金と時間を溶かして猛省して以来、App Storeにはアクセスしないようにしている。

だから、スマホなんて、使えるならずっとこれで良いと思っていた。
壊れたら買い換えよう、くらいでいた。

正直、普段から使わないのなら、なんでもいいのだ。

でも僕は、今朝iPhone16 plus(256GB)を手にいれる決意(予約注文の準備)をした。


きっかけは数日前。
Amazon musicだ。

最近、友人にオススメされた音楽を聴いてみようとアプリをダウンロードしてみた。

新しいアプリをダウンロードするのも、音楽を聞くのも久しぶりだった。
そんな新鮮な気分で再生してみるも、途中でアプリが落ちる。

落ちるたびに「容量が足りていない」というアラートが出るので、こちらの問題だろう。

スマホの中の何かを消して、空きを作らねばならない。

今はもう使っていないアプリなどを消した。
それでも容量が足りなかったので、Amazon musicで音楽を聴くのは諦めようかと思った。

音楽はYouTubeでも聴ける。

でもまぁ、広告はない方がいい。
集中力がとぎれるし、スキップするのも手間だ。

そもそも音楽を聴くのをやめようか。
別に聴かなくたって、僕の人生はそんなに変わらない。

でもそれは、新しいものへの扉の手前で戻ってくるようなものだ。

普段聴いたことのないものに触れてみる、というせっかくの思いを、このまま埋葬していいものか。

悩んだすえに、残していたパワプロとパワサカのデータを削除した。

友人のオススメしてくれた曲は、僕が普段は聴かないようなテイストで、よく分からなかった。

きっとまだ、僕にそれを受け入れたり、形容したりする準備ができていないのだろう。


新しいことをシャットアウトして、古き慣れ親しんだ世界に閉じこもる。
周りを知っているものだけで固めて生きていくことは、とても安心する。

実際、人間の脳は変化を好まない。
はるか古の時代、生き残るために必要なのは「変化を追わず安定すること」だからだ。

挑戦的なクレイジーなやつらは、変化しようとして死んでしまうことも多かった。
未開の地に旅だってライオンに食われたり、谷底におちたり、毒キノコにあたってお腹をこわしたり。

その頃から、人間の構造は変わっていない。
変わったのは周りの環境や仕組みで、肉体や脳はそれについていけていない。

そのギャップは、僕らの前に何度も立ちはだかる。

ついつい挑戦を避け、新しいものを拒否し、持っているものや慣れ親しんだものをずっと抱えている。

新しいものに触れる、というのは、結構たいへんだ。

触れる、なんて優しい感じじゃない。
ぶつかりにいく、くらいの覚悟が必要だ。

実際、返り討ちにあうことも多い。
それでも、たまには果敢に攻めていくことが、人生には必要なんじゃないだろうか。

スマホなんて使わないから、なんでも良い。
ではなくて、使い倒してみよう。

AIも使ってみて、カメラで写真もとってみて、ゲームもやろう。
液晶サイズも大きいのにして、イラストとかも描いてみようか。

そう考えると、少しだけ前向きになれたような、なかなかに良い気持ちだ。
いつもなら調べるだけ調べて買わずに保留にするが、今回は直感に身をゆだねて、買うことに決めた。

支払いは分割にした。
いつ現金が必要になるかは分からない。

新しいものへのアプローチは大胆さだけではなく、現実をみる慎重さも必要なのだ。


予約注文の準備は、思っていたよりもスムーズに終わった。
「面倒くさそう」と身構えていたが、やってみれば大したことはない。

ひと段落つき、Amazon musicのアプリをよくよく見てみると、けっこうな数の曲がダウンロードされていた。

あ、これで容量が足りなくなっていたのか、と思った。

気になった曲やアーティストの画面を色々と押したりしていたので、気づかずダウンロードしていたのだろう。

つまり、パワプロやパワサカのデータを消す必要はなかった。
わざわざ256GBにしなくても、128GBでよかったかもしれない。

それでも僕は、新しいものと古いことを受け入れて、それぞれ選択したのだ。
その結果のさきに、今日がのびていく。

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