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無念の東京五輪

東京五輪、開幕式に先立ち、競技開始

東京五輪は今夜、開幕式です。7月21日午前、開幕式に先立ち、競技が始まりました。新型コロナウイルス感染防止のため、競技会場がある9都道県のうち、東京、埼玉、千葉、神奈川、福島、北海道の6都道県は無観客での開催となりました。東京都に発令された4度目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言(8月22日まで)が、疲弊した観光業界にさらに追い打ちをかけています。

「コロナに打ち勝った証として、東京五輪を開催する」とのかつての政府の宣言は、残念ながら事実上、全く意味をなさなくなりました。訪日観光客の訪れを待ち望んでいた観光業の関係者の間でも、落胆の声が上がっています。私たち通訳ガイドも、もしコロナ禍でなければ、オリンピックの理念である「平和でより良い世界を目指す」ことを実現する現場の第一線で多くの活躍の場があり、この世紀の祭典に寄与出来ただろうと思うと、今更ながら残念でなりません。

「冏」という漢字

この漢字をご存知でしょうか?「冏」は、「光り輝くさま、あきらか」などの意味をもつ漢字です。中国にもこの漢字があります。意味は日本語と同じなのですが、中国ではこの字の形が、人が眉をしかめている時の表情に似ていることから、「ゆううつ、悲しい、やるせない」といった意味を持つようになり、十数年前からインターネットやチャット、ブログで使われています。

観光業界、今の気分はまさしく、「冏」

この閉塞感に満ちた「冏」の気持ちではありますが、五輪が私たちに計り知れない勇気や感動を与えてくれるのは、今回も同じです。「冏」を元の意味の「光り輝くさま」と捉え、アフターコロナを見据えて、この悔しさとやるせなさをバネに、今は悲観せず穏やかにテレビやインターネットで競技を観戦し、各国の選手の活躍を応援したいと思います。


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