入梅、半夏生、、雑節って何?
旧暦には、雑節というものがあります。雑節とは、二十四節氣や七十二候以外で登場する補助的な暦日(れきじつ)で、「節分、彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日」の九つがそれにあたります。それぞれの内容をみていると、農事との関りが深く感じられます。
ということで、今月は雑節のことについて書いてみたいと思います。よろしくお付き合いください。
太陽の角度で決まる雑節
皐月の「さ」は、田の神さまのことを指している、という説があります。例えば、桜は田の神さま(さ)の依り代(くら)であることから「桜(さ+くら)」という名が付いたとも言われています。
田の神さまに仕える「早乙女(さ+おとめ)さん」が、田の神さまの苗「早苗(さ+なえ)」を持って田植えする月、そんな農事の繁忙期である月である「皐月(さ+つき)」。そんな田の月である月に、今年は「入梅」と「半夏生」ふたつの雑節が含まれます。
このふたつの日の決められ方は、それぞれ太陽の角度(黄経)が80度になると「入梅」100度が「半夏生」となります。「夏至」が90度なので、夏至を挟んでちょうど対のような関係性になっています。
つまり雑節も太陽の動きが基準になっています。旧暦のデメリットとして挙げられる「季節のズレ」のようなものを補完しているのが、雑節です。
梅雨入りと入梅
入梅(今年は6月11日)は、梅雨入りを指す言葉ですが、これは気象庁が発表するいわゆる梅雨入り宣言とは別です。
昔はスマホで即座に梅雨入りを耳(目に?)にすることもなかったでしょうから、こうした梅雨入りのひとつの目安の日というのは、農事においてはとても大切だったように思います。
また入梅は、梅の実が熟す頃なので、この名になったとも。実際七十二候でもこの5日後(今年は6月16日)に「梅子黄(うめのみきなり)」とう候を迎えます。
そんな梅雨の時季を知らせてくれる入梅ですが、今年の近畿は、統計史上最も早く(例年より21日早く)5月16日に梅雨入りが発表されました。
なんだか変な感じだね~、といったことに氣づけるのも、雑節というひとつの基準があるからなのかもしれませんね。
田植えの終わりを告げる半夏生
半夏生(はんげしょう)は、夏至の末候にある「半夏生(はんげしょうず)」という七十二候から、雑節になった暦日で、田植えの終わりを告げる日とされています。
この日は日頃の労をねぎらう日とされ、静養につとめたり、関西などでは、植えた苗が地面にしっかり根付きますようにとの意を込めて、その足にあやかり、タコを食べたりしました。
養生に合った暦「旧暦」
日々健やかに過ごすには、自然に添って暮らすことが大切である、と説く中医学において、こうした自然のリズムがよくわかる旧暦は、とても重宝します。
新暦のメリットもたくさんありますので、どちらがいい悪いではなく、自身をケアする目安としての暦として「旧暦のある暮らし」というのもいいんじゃないかな、と思います。
ゆらね養生雑記 旧暦皐月号
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