愛犬とのお別れ-時間は有限、だからこそ今この瞬間を大切に-
先日、我が家の長男、ミニチュアダックスのオス(16歳6ヶ月)タマクローが天国に旅立ちました。
私たち家族が初めて飼って一緒に暮らしたワンちゃんだったので、最期のお別れがどんなものなのか、どういう風にこの日を迎えなくてはならないのか、まったく想像もつきませんでした。
「こういう症状が出て、こんな風に最期を迎えました」といった内容のブログを家族でいくつか見ていて、都度、覚悟を決めることができていたので、最期のその時まで、冷静でいられた部分があったと思います。
私の実体験を踏まえて、どなたかのお役に立てることを願って…
悲しい記事になってしまうのですが、いつか必ず迎えなくてはならないお別れに至るまでの、我が家の一連の日々をシェアしたいと思います。
亡くなる2か月前
・最近、おしっこの頻度が増えた?
・最近、少しだけ食欲がないかな?
家族でそんな話がでたのが、最初の兆候だったかなと、今となっては思います。もともと、緊張したり散歩帰りにはおしっこの頻度が多くなるワンちゃんだったので、この時はあまり気にとめていなかったのが正直なところでした。
亡くなる1か月前
この頃になると、あきらかに食欲が減ってきていました。
数か月前からドックフードの食いつきがあまりよくなかったのですが、この頃からドックフードはほぼ食べなくなってしまい、缶詰タイプのウェットなご飯や、チャオチュールやワンちゃん用のサツマイモなど、普段から大好きなお菓子を少量ずつゆっくり食べるようなことが増えました。
ただ、あきらかに何か体調が悪そうといったこともなく、「老犬だからしょうがないねー」と家族で話す程度で、病院に行くまでではないかと判断し、本人が食べたがるお菓子などを中心に与える対応をしていました。
亡くなる2週間前
食欲が落ちてしまったためか、明らかに体力が落ちて、寝ていることが多くなりました。
おしっこに少量の血液が混ざっているようにも見え、この頃、念のため病院に行こうという話になりました。
動物病院を受診をしたところ、獣医師より、
「高齢犬ではよくある、腎機能の低下の可能性が高い。
毎日点滴を続けて、その経過次第で、今後の方針を決めましょう。
ただし、年齢も年齢のため、完治し元気になるというのは厳しい。
飼い主さんの判断にはなるが、
①診断を確定し入院・治療と積極的な対応をおこない延命する
②積極的な検査や治療行為は行わず、このまま寿命をまっとうできるよう自宅で最後までお世話し看取る
③家族立ち合いのもと、病院にて安楽死をおこなう
この3つの方針が考えられます。家族でゆっくり考えてみてください」
というお話をうけました。
夫も娘も目に涙を浮かべ、私たち家族で、どういう判断をしたらよいか、すぐには答えは出せない状態でした。
亡くなる1週間前
点滴通院を2日間続けたものの、症状は改善せず、むしろ慣れない病院通いで体力を消耗したのか、病院帰りはぐったりと寝込む様子が見られました。
「このまま通院・点滴して、延命をすることが、本当の意味で、タマクローのためになるのか?辛い、苦しいだけの時間が続くだけで、この子にとっては苦痛でしかないのではないか?」
家族で話し合い、これ以上の通院・治療は断念する方針を固めました。
とはいえ、医師より提示された③安楽死、という選択肢を取る決断まではできず、タマクロー自身も、失敗はしながらも、懸命に立ち上がり、トイレに向かう姿があり、その身体を支えてあげることしかできませんでした。
大好きだったお菓子も、食べたい意思は感じるのですが、何度もクンクンと匂いを嗅いでは、悲しそうな顔で、お菓子から離れ、また寝てしまうような状態でした。
水は何とか飲んでくれていて、固形のご飯は本当に小さくちぎったものを、体調が良いときにだけ少量ずつ食べるような状態でした。
亡くなる3日前
日中はほぼ寝ている状態で、この頃になると、本人が立ち上がり歩こうとしても、身体がままならず、体調が悪そうな時には、寝たきりのまま、おしっこをしてしまうようになりました。
医師からは、腎臓が悪くなると吐き気があると聞いていて、確かに、何度か、胃の中には何もないのですが、何度かお腹がぐるぐると音を立てて、胃液だけ嘔吐するようなこともあり、本人もおそらく吐き気のようなものを感じているんだろうな、という様子が見られました。
手のひらサイズの、水を注入できる注射を口元にあてると、最初は嫌がりながらも水を少し飲んでくれることもあり、ペットシートとタオルを敷いてあげると、その上でぐったりとまどろんでいるような状態が続きました。
亡くなる前日の夜
前日までは、何とか自力で歩ける状態だったので、タマクローが普段から過ごしなれたリビングで昼夜過ごしていましたが、この日の夜は、体調が気になって寝不足も続いていたので、初めて私たち夫婦の寝室に連れてきて、夫の隣に簡易的なベッドをつくり、夫の隣で一緒に寝ました。
それまでは吠えたりうなったりと声を上げることは一切なかったのですが、亡くなる前日となるこの夜は、眠りから覚めると、手足の痙攣が出はじめ、時折うなり声のような、本当に苦しそうな息遣いをすることが何度かありました。
そのまましばらく、身体をさすったり、抱っこしてあげると、再び眠りに入り、眠ってしまうと少し息遣いも落ち着き、苦しい様子が軽減されるように見えました。
ただ、いくつかのブログや情報を見ていると「寝たきりの状態から4ヶ月頑張りました」「犬は水を飲まなくても1週間は生きられる」といった内容も見ていましたし、医師からも「この子は心臓がものすごく強いのですぐに死んでしまうということはないと思う」と聞いていたので、まさかこの夜が、最初で最期の一緒に寝室で過ごす日になるとは、夢にも思いませんでした。
亡くなる当日
日中はこの数日間と変わらない様子で、ほぼ寝ている状態が続いていました。
夕方、目覚めると手足の痙攣と胃液の嘔吐があったものの、しばらく身体をさすってあげると、また落ち着いて眠りにつく様子でした。
「今は少し落ち着いているから、急いで夜ご飯を食べて、そのあとまた様子をみようか」ということになり、
「これ以上辛い時間が続くのはかわいそうで見ていられない。明日まで様子をみて、安楽死も考えてあげたほうがよいかもしれない」といった話をしながら、家族で食卓を囲んで食事をはじめてすぐに、夫が、
「あれ?タマクローが顔を上げた!」とさけんで、タマクローのもとに駆けつけました。
「様子がおかしい!息をしていないかも!!!急いで!!!」
夫の叫び声に、娘と私も駆けつけ、心音を確認すると、力強い心臓の動きは感じたのですが、本人の様子があきらかに今までと違っていて、喉をのけぞるような苦しそうな様子を見せました。
家族3人で必死にタマクローに呼びかけると、今まで見たことがないくらい力強く目を見開き、口も大きく開け、必死に息を吸い込もうとし、その様子が2度続いた後、ふっーと息を引き取りました。
最期のお別れ
近いうちに、この瞬間が来てしまう。
そう覚悟はしていましたが、あまりにあっけなく、あっという間のお別れの瞬間でした。
「目と口を閉じてあげて、眠っているような姿に身体を整えてあげてください」という事前の情報を聞いていたので、流れる涙を拭いながら、身体を整えてあげることしかできませんでした。
数十分後にはあまりに残酷なもので、死後硬直がはじまりましたが、目を閉じ前足を重ねて横たわる姿は、すっかり苦しい様子もなく、すやすやと気持ちよさそうに眠っているようにしか見えませんでした。
この日の夜のうちに、ペットのお別れ専門業者さんに連絡を入れ、翌日夕方に火葬をおこなう手続きを終えました。
お別れから10日後
この記事を書いている本日は、タマクローが旅立ってちょうど10日後となります。
我が家はタマクローと一緒に、1歳年下のメスのミニチュアダックスと二匹飼いをしていたのですが、タマクローが旅立って2日間くらいは、あきらかに相棒であるタマクローを探しているような様子も見られましたが、3日後くらいにはその様子も落ち着きました。
15年以上一緒に暮らしてきたタマクローがいなくなり、残されたワンちゃんがどうなるか相当心配をしていたのですが、ワンちゃんは強いですね。今のところは、思った以上に、いつもと変わりなく過ごしています。
人間である我々家族も、10日が経ち、悲しい気持ちは消えないものの、あの激動の毎日の記憶が薄れてくる実感があります。
1ヶ月、半年、1年と時間が経つと、きっと、最期の日までの様子やその時の苦しい気持ちも、うろ覚えになっていくのかなと思います。
まとめ
今回は、愛犬とのお別れについて、我が家の場合を書き留めました。
タマクローの死に向き合うことで、あらためて一番感じたこと。
【時間は有限、だからこそ今この瞬間を大切に】ということ。
授かった命には、必ず終わりがある。
人間も、ワンちゃんも。
当たり前なのに、ついこの時間がずっと続いていく感覚に陥り、目先の小さなことで怒ったりどうでもよくなったり、その瞬間を大切にできないこともあると思います。
そんな時には、愛犬とのお別れを思い出し、かけがえのない今この瞬間を大切にする、そのことを心に刻みたいと思います。
今回の内容が、悲しいだけの話ではなく、どなたかのお役に立てることを願って。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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