ニンゲンのインスタレーション
ベルリンを拠点に世界中で活動する塩田千春のインスタレーションが森美術館で開催されている。
ひとつひとつの展示の物語にノンフィクションのインパクトを感じる。
生きざまをさらし展示している。
視覚からは赤と黒が強烈に意識に飛び込んできた。
スタンダールの「赤と黒」。
30年も前に感じたスタンダールの心理描写であぶり出されるニンゲンのなまなましさに対する感覚への刺激を思い出した。
表現者の血肉をささげたような展示にゆさぶられた。
敏感であるほど避けたくなる逃げたくなる
ニンゲンの情動のなまなましさ。
情動を直視するには腹は必要なのだと思う。
どんなロジカルな思考の達人でも
奥底に流れつづけるニンゲンの情動は消えることはない。
それをごまかしたまま走りつづけるのもいいけれど…
吐き出した後のあっけなさは拍子抜けするほどだったりする。
大したことないことを演出しているニンゲンの情動…
それは大した演出家。
押さえ込んでクールに生きるのもかっこいいけど、それを隠さないクールさもある。
その泥臭さがニンゲンをやりきっていてカッコいい。
塩田千春展:魂がふるえる 2019/6/20-10/27
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/shiotachiharu/
森美術館は一部をのぞいて撮影可能。
被写体が異世界にいるように目に映る。
この…ニンゲンのインスタレーションを後にした1時間後、東京の街を俯瞰した。
やけに平面でのっぺりとした世界にみえた。
3Dのはずが2Dにみえた。
3Dにしているのは泥臭いニンゲンかもしれない。
撮影:南里優未子 松平道明
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