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202409 雑記

生まれて初めて「推し」ができた。
10代、20代、30代と何かを追っかけるなんて無縁の生活だったけど、今、ものすごく楽しい。もっと早く知りたかったこの感覚!
推しに会いにいくのも楽しいし、推しについて語る時間も楽しいし、推しと撮った写真を見返してニヤニヤしたりしてる。

わたしの推しは、黒井ひとみさん。
素晴らしいステージに心を掴まれてしまった。
彼女はストリッパーだ。

渋谷道頓堀劇場

「ストリップって面白いなあ」とジワジワハマり始めた頃に黒井ちゃんを観て。「とんでもねえぞ!」とすぐさま夫にも共有し、そして当然夫も心臓撃ち抜かれ、今、夫婦で追っかけている。

浅草ロック座

夫と黒井ちゃんの演目について語り合うとき、夫が自分以外の女性の裸を見ているということに対しての嫉妬のようなものは一切感じない。
美しいものに圧倒されて隣で涙ぐむ夫とわたしが同じ気持ちだというのがわかるから。二人で美しいものを一緒に追いかけられるのが幸せだ。

こうやって、これからもいろんな黒井ちゃんをずっと観たいけど、11月の末をもってお休みされるとのこと。悲しい。でも、だからそれまでは、できるだけ足を運びたい。

大阪東洋ショー

ストリップの世界は知れば知るほど、踊り子さんの負担が大きすぎると感じる。そもそもの仕組みがどう考えてもおかしい。
だから、休むイコール追いかけられなくなるのは残念だけど、同じ人間として、休んでほしいという気持ちもある。
ほんとにさ、おかしいと思うんだよ。

1ヶ月を頭・中・結の三つに分けて、全国の劇場を身一つでずっとぐるぐる回っている踊り子さん。大体十日間同じ劇場に滞在して、オフがくるまでは一日3〜4回のステージに立ち続ける。
公演が続けば30日以上連続でステージに立ち続けることも。
その上新作のための練習もあったり、衣装は(劇場によるけど)自分で用意して小道具の準備や荷造りも全部自分。

池袋ミカド劇場

演劇でもロングラン公演ってもちろんあるけど、本当に長い公演はダブルキャストだったりするし、シングルキャストだったとしても数日公演が続けば休演日がきちんと設けられている。マチネのみ、ソワレのみの一日1公演の日もある。
人前に立ち続けるというのは、それがやりたくてこの仕事をしてるとはいえ精神的にはなかなかキツいよなと思う。

そういう想像をできてしまうから、ストリップが好きという気持ちと同じくらい踊り子さんにとってもう少し優しい世界に変わってくれ、と願ってやまない。
いや、踊り子さんたちがそういうことを言っているわけじゃないからこれはわたしが勝手にそう思ってしまってるだけなんだけど。でもやっぱり身体(と心)を酷使しすぎじゃない?ファンとしてはさ、この仕組みのせいで踊り子さんを搾取してしまっているような気持ちにもなるのです。

だって本当に本当にみなさん素晴らしいから。
黒井ちゃんが最高オブ最高なのはもちろん、他の踊り子さんも素敵な方がたくさん。

熱海銀座劇場

価値のない裸はない、と思わせてくれたストリップ。
激しくしなやかに、そしてさまざまな愛を見せつけてくれる黒井ひとみさん。彼女を見ているだけでいつも涙が出てくる。

自分の身一つで芸をすること。
演劇を続けてきて早20年。
改めて大事なことを今、ストリップから学んでいる。

【高野ゆらこの最近と今後の予定】
◆MAWマイクロアートワーケーション2024で静岡県裾野市に滞在してきました。
滞在記録は以下から。超濃密な一週間でした。

◆劇26.25団 第18回公演『振り向け!』
作・演出:杉田鮎味@下北沢OFF・OFFシアター
2024年11月22日(金)〜24日(日)
*映像パートでの出演になります。


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yuracco
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