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【進振り】総合科目を選ぶコツ-進振り医進の道のり

はじめまして!東京大学文科一類2年のYuraと申します。
私は、2025年度進学選択にて全科類枠で医学部医学科に進学内定しました。
進振りや進路の詳しい話はひとまず後にして、今回は東京大学の前期教養学部生向けに「高得点が取れる総合科目の選び方」について書いてみたいと思います。

というのも、最近、一年生の方から「総合科目はどう選べばいいのでしょうか?」という質問を受けたからです。

「東京大学は教養2年間で文理関係なく自分の興味分野の授業を履修できる」というのは有名な話ですが、それを体現しているのが「総合科目」です。

とはいえ、なんでも好きにとれる訳でもなく、A-Fに分けられた系列から複数分野にわたって履修することが定められていますから、当然、自分にとっては全くの門外漢であるような分野を履修することが求められるわけです。

しかし、手元にあるのは大量のシラバスと東大生御用達の逆評定のみ。高得点を取りたいけれど、何を選べばいいのかわからない……

かくいう私も、総合科目選びに悩まされた経験があります。2S前、医進を決意した私に、大きな問題が立ちはだかりました。
医進を確実にするためには、あと3点上げなければならなかったのです。追い出せるのは総合科目A-Cのみで、あと3点あげるには何度計算しても、すべて「100優上」近くとらないと達成できない…という状況でした。正直絶望しました。
そこで私は必死に逆評定やシラバスを総動員し、総合科目を選び、結果、2S終了の時点で基本平均点を3点あげることに成功しました。


特に、1年Sセメスターが終わった今(8.9月)の段階になると、気になっている学部・学科と自分の点数とをみくらべて、今のうちになるべく点数を上げておきたい、と思う方も多くなる頃だと思います。

前置きはこのくらいにして、早速、総合科目の選び方について書いていきたいと思います。
以下は総合科目6科目*全てで「優上」を獲得した私の経験則に基づく、総合科目の選びのコツになります。
*総合科目重率1で参入されるA-F系列6コマ12単位のこと


総合科目選びの戦略

私は総合科目で高得点を取るには、以下のいずれかの戦略を取ることがおすすめだと考えています。
実際に私が2Sで100優上近くをとった3科目は、以下の3つの方針で選んだものでした。

戦略1.超少人数授業を狙う

東京大学の皆さんなら耳にタコができるほど聞いたであろう「優三割規定」。これがあるせいで79点良という辛酸を舐めた東大生は多いのではないでしょうか。
そんな前期教養学部科目ですが、履修者20人以下であれば優三割規定が外されるという決まりがあります。つまり、少人数授業を取れば、全員「優」以上を出すことも可能になってくる訳です。

私は、中でも10人以下の少人数授業が狙い目だと思っています。このような授業では、履修人数が少ないため、先生方との距離が近くなり易い、というメリットがあります。
そのため、

①初学者であっても優しく教えてくださったり、質問対応が手厚い
②その分野のアカデミアの生の声を知ることができる
③学生個人個人の気合いも伝わりやすく、「やる気のある学生」に応えてくださる先生が多い

というようにいい点が盛りだくさんです。私は前期教養で履修者5名程度の授業を2コマ履修しましたが、どちらも学ぶことを純粋に楽しみながら、優上を取ることができました

(中でも、外国文学の先生は、世界史未履修で完全初学者の私を、イベントなどに招待してくださったお陰で、東大入学前には知る由もなかった外国文学という学問の面白さを知ることができたのがとても印象に残っています。教養学部時代の恩師の一人だと思っています。)

戦略2.「楽単」は優上の穴場

一番コスパよく、効率的に総合科目で優上を取るのであれば、いわゆる「楽単」を狙うのがおすすめです。
具体的には、逆評定で「大仏」や「仏」となっている教員、逆評定のコメントに「単位が取り易い」と書いてある授業のことです。

このような授業には、単位を取れればとりあえずOKという姿勢の生徒が履修に駆け込むことが多く、履修者が100人を超えます
優3割、優上1割なのですから、優なら上位30人、優上なら上位10人に入れば良いことになります。
履修者50人の上位5人以内を目指すよりも、楽なような気がしませんか?

また、肌感覚では、履修者50人ほどになる授業は、「ガチ勢」と言われる人が必ず何人かいる印象です。優上は彼らによって確保されているのです。

しかし、「楽単」には、ガチ勢でない人たちが多くいます。だいたい3割くらいは授業にほとんど出席せず、シケプリで試験やレポートを乗り切るのです。つまりここでの上位1割は実際にはもう少し緩いことになります。

中でも、「試験一発」や「最終レポート一発」の授業が狙い目です。
筆者は、最終レポート一発の科目を2つ履修しましたが(総合D,E)、いずれも毎回出席し、ノートにとっていたことをそのままレポートにまとめるだけで優上をいただくことができました。

(どちらも、10回目の授業には履修者の半分近くが授業に来ていませんでした笑)
追記:2Sで取った試験一発の科目は99優上でした。あと1点はどこへ…

戦略3.努力して掴む

正攻法。いわゆるゴリ押しです。
私は古典が好きだったので、2Sの古典の授業でこれを行いました。
毎週、論文を5本以上読んで、2000字以上のリアクションペーパーを提出していました。また、最終レポート(字数制限なし)では、20本の論文を参考文献にして16000字のレポートを書き上げました。

「これだけやったのだから、95点以上は確実だろう」という確信を持てたのは、この科目が唯一だったように思います笑
追記:この科目では100優上をいただきました。とても嬉しい。

ただ、毎週かなりの時間を一つの科目に割くことになるので、必修が多い1年のS/Aセメスターでは、このやり方で総合科目を履修することはお勧めしません


優上総論

さて、先ほどまで3つの戦略について取り扱ってきましたが、次にこれらを踏まえて、どのように科目選びを進めていけばいいか、について軽く書いていきます。

1.戦略とペース配分

総合科目は、頑張れば高得点を十分に目指せる分野です。しかし、努力量が求められる以上、総合科目を履修するタイミングは吟味する必要があります

つまり、先述の戦略の1-3を1Sから2Sまでのどこに配置するか、といったペース配分を意識することが重要になってくるのです。

共通して言えるのは、必修が多い1年次は、時間を割かなければならないような総合科目を取ることは極力避けた方が良いでしょう。例えば、先ほどの戦略で言ったら3に当たるものは2Sまではむしろ取らない方が良いことになります。

1S/1Aは必修の点数を無難に取れるように努力することが重要です。
少人数授業や、楽単授業を選びつつ、必修に力を注げるようにバランスに注意しながら少なめに総合科目を選択しましょう。
(私は、1Aで体調を崩して休んでしまった英語一列とスポ身で良をとったことに、かなり足を引っ張られました。)

撤退をしたとしても、総合科目は0点が重率0.1で入ってくるため、かなり痛手になります。総合科目は焦らず、コツコツ取ることが重要です。

2Sは、総合科目に時間を割くことができる分、1-3の戦略に沿った科目をバランスよく取ることがお勧めです。1や2は、「優上を取る確率」を上げてくれますが、「必ず90点代を保証する」ものではないので、優上を取るには努力量を要求されるが、それに見合った点数が保証される科目もとっておくことがキーになってきます。こうすることで、全部大コケしてしまうという事態を防ぐことができます。

2.科目との相性を意識する

言わずもがな、科目との相性は重要です。自分が得意でない科目、興味がない科目を「逆評定が大仏と言っているから…」と取って、後から泣く羽目になった同期を何人か見てきました。

中でも自分が受験で選択しなかった科目「ガチ勢」が絶対いるであろう科目は避けた方が無難でしょう。
例えば、私は日本史地理選択だったのですが、世界史系の科目は、入試を世界史50点ほどで突破してきた猛者たちと並ぶことになるので、できるだけとらないようにしていました。

では、逆に何を取れば良いのか?
狙い目は、初学者が多く、自分の興味とも合致している科目です。もちろん、東大ですから、どの分野にもその分野を愛してやまない「ガチ勢」はいることでしょう。しかし、心理学や環境学、進化学など、今まで高校では習ってこなかった学問分野が大学には多くあります。大学入学後、なるべく皆と同じスタートラインに立てる科目を選ぶことをおすすめします。

また、自分の考え方と科目との相性は重視しましょう。
例えば、私は哲学が大の苦手で、「考えが深すぎて何が正しいのかわからない…」となりがちでした。哲学は自分がどれだけ時間を割いてレポートを仕上げても、納得できるような結論に辿り着く自信がなかったため、哲学系の授業はとらなかったです(教養としては、取っておきたかったとも思いますが)。
逆に生物系や心理系、古典系はもともと得意であり、また学問形態と自分の考え方が近かったため、高得点が取りやすかったように思います。自分の答案やレポートを採点するのはその学問を極めた大学の先生方です。ですから、その学問の形式や考え方、いわゆるディシプリンになるべく自分の考え方が近い方が、先生に自分の述べたいことや意見、論旨が伝わりやすく、点数につながり易いと考えています。

3.教員との相性を意識する

また、大事なことが教員との相性です。(教員との相性、なんていうのは烏滸がましい気がしますが…)
必修の先生でも「私はこの先生好き」「えー私は少し合わないかも…」みたいな話になったことありませんか?
周りからの評価の高い教員が、必ずしも自分にとって相性の良い教員とは限りません。「この先生の授業の仕方は面白いぞ」「この先生とシナジーを感じる」と言ったような自分の感覚を大事にしましょう

ここで活きてくるのが、シラバス第一週授業です。
シラバスの「授業の目標・概要」にはその教員の考え方や「色」がよく反映されています。試しに、興味のある科目の概要をいくつか読んでみてください。何個か読んでいくと、「この教員の授業は自分に合いそうだ」といったことがなんとなくわかってくるようになります。
また、第一週授業で、良いと思った授業は必ず覗くようにしましょう。先生の授業スタイル、レジュメの有無等全く異なりますので、第一週で自分がこのまま受けることができそうか確認してみましょう。
また、履修者数を見つつ、同じ授業をとる学生の層がどのような層なのかを把握しておくことも重要になってきます。

4.試験科目とレポート科目を効率よく取る

最後に、レポートと試験のバランスを意識して履修を組みましょう。

例えば、すべて試験の科目ばかりを同時に取ってしまうと、試験勉強の配分がうまくできなかった場合、最悪必修を巻き込んでの総崩れ、という事態になりかねません。
また、自分はレポートが得意/試験が得意、なども念頭に置きつつ、自分が負担なくこなせるような配分にするのが良いと思います。

試験、レポート、リアペ形態の授業を、総合科目以外の科目も含めてバランスよく取ることで計画的な学習に繋げましょう。


最後に

ここまで、私が実践してきた総合科目選びを言語化してみました。
皆さんの進学選択の一助になればと思っています。

皆さんにとって当たり前のことも多かったと思いますが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

また需要があったらいろんな進振り対策を発信していけたらと思いますので、楽しみにしていただけますと幸いです。





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