人口減少について
先日、ニュースを見ていたら、日本の総人口減少が続いているという話があった。なんでも5年前より94万人減少ということである。
で、ソースを辿ってみる。e-Statのサイトは、こういうときに便利だ。
ダウンロードしてきた表から、グラフ化したのがこちら。
総人口とは、在住外国人を含めた人口。日本人のみの人口も発表されている。これによると、5年前の総人口は1億2709万人、日本人のみは1億2532万人だ。単純計算で、外国人(国籍不明含む)が177万人(1.4%)住んでいるというのがわかる。
そして2020年10月1日時点の数字をみると、総人口が1億2571万人、日本人人口が1億2325万人。外国人が69万人増の246万人となった一方で、日本人は207万人減少というのが、この5年間の変化であることがわかる。
これがどのくらいインパクトがあることなのか、何かうまい例えがないか調べてみたのだが、政令指定都市のひとつである北海道札幌市の人口が197万人ということだから、この5年間で札幌市が丸ごとひとつ消失しているという計算になる。
上記のニュースでは、総人口が「94万8646人、率にして0.7%減り」とあり、これだけみると「0.7%減少したのか。ふーん」くらいにしか感じないのだが、内訳をきちんとみていくと、「札幌市を上回る人口の日本人が5年間で減っている」となるわけで、統計データの見方ひとつで印象がだいぶ違うものだなあと感じた。
札幌市でピンと来ない方は、「宮城県仙台市(109万人)2つ分」とか、「埼玉県さいたま市(133万人)」と「新潟県新潟市(78万人)」を合わせたのに匹敵するとか、「兵庫県神戸市(151万人)」と「岐阜県岐阜市(41万人)」を合わせたよりも多いくらいとか、「福岡県福岡市(162万人)」と「長崎県長崎市(40万人)」を足したよりも多いくらいという例えではいかがだろうか。
人口ピラミッド(総人口ベース)を見れば、人口減少は今後も確実に続いていくことは明らか。2030年には1億2000万人を下回り、2040年には1億1000万人に肉薄し、その後も加速的に減少が続いていくことがわかっている。2030年から2040年にかけての10年では、東京都23区相当の人口が消失するということであり、たった20年後でこれだから、いよいよ大変な時代がやってくるものだなあと思った次第である。