気になる広告・NO BORDER(日清カップヌードル)
自分は普段、広告に携わる仕事をしています。
広告は作るのも見るのも好きなんですが、いざ好きな広告について話そうとすると詳細がパッと出てこないことが多いんですよね…
それで気になった広告事例はメモしてるのですが、そのメモの所在もバラバラで…
それならこのnoteに残しておこうと思い、好きな広告や気になる広告について書いていくことにしました。
映画のレビューのような感覚で、
不定期で綴っていきたいなと思います。
(長続きしますように…)
ということで一発目、
日清カップヌードルの事例です。
2004年頃、日清はカップヌードルを通じて「NO BORDER」というワードを掲げ、それに基づいたCMシリーズを展開していました。
おいしさを感じる気持ちに垣根がないのと同じように、人々の心にも垣根が無くなればという願いを込めたシリーズです。
今こそ人種、性別、宗教、LGBTQなど、人と人とのボーダーラインに関する問題意識が強い印象がありますが、日清は17年前にこれを想起させる提言をしていました。
CMではBGMにMr.Childrenの曲を起用していて、当時小学生だった僕(色んな意味で衝撃…)はミスチルとセットで印象に残っていました。
ここで紹介するのは、
その「NO BORDER」シリーズの中でも特に印象に残っている、2005年に放送されたCMです。
※某動画サイトに動画が上がっていますが、個人ユーザーによるアップロードのため引用は避け、内容を綴っていきます。
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舞台はどこか外国の浜辺でしょうか。
ひとりの少年が浜辺に面した木々の中を裸足で歩いていくシーンから始まります。
(BGMはMr.Childrenの「and I love you」)
画面は彼の顔や足取りを映しており、その表情は険しそうにも穏やかそうにも見えます。
木々を抜けると、綺麗な海が広がり、
その美しい景色ととも少年の全身が映る。
少年は銃を持っている。
彼は少年兵だったのです。
そこを拠点とする他の人物も映ります。
皆銃を持っている。
戦闘中ではないが、軍用車両が通り、物々しい雰囲気を感じさせるようなシーンが続きます。
海を見渡す少年兵のもとに、ひとりの少女がやってくる。(彼らは兄妹に見える。)
少女が笑みを浮かべながら少年を見つめると、
少年もそれに呼応してにっこりと笑う。
綺麗な海をバックに二人が身を寄せ合う後ろ姿が映り、ナレーションが入ります。
「NO BORDER カップヌードル」
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当時、同時多発テロの記憶もまだ新しく、イラク戦争真っ只中で、緊張感の続く時代だったと、小学生ながら記憶しています。
そんな時世に放送したこともあってか、このCM「NO BORDER 少年兵編」は子どもに銃を持たせることへの是非や、戦争を肯定しているのではないかとの指摘があり、放送中止という形での幕引きとなったみたいです。
僕はこのCMが好きで、当時の放送も見ていて、とても考えさせられました。
今でもよく見返しています。
人にはそれぞれ選んだ境遇もあればやむを得ず抱える境遇もあって、このCMはカップヌードルが人を境遇で選別しない、平等な存在であることを感じさせる広告だと思いました。
人間的にもこうでありたいです。
様々な気付きのある広告でした。
他にも気になる広告がいっぱいあるので、
また記録していけたらと思います。
ここまでお読みいただき
ありがとうございました。