【Web会議 構築記①】ツールはZoomかTeamsか、それともWebex?
2020年4月に古巣のシステム部門に転勤となり、待っていた仕事は大急ぎで社内のWeb会議システムを構築することだった。
私の職場は全国に拠点を持っている。
今回コロナ禍の煽りを受け、感染対策のために出張が中止となった。
このため全社会議ができなくなり、その対策が急務だったのである。
幸いなことに、昨年末までに社員の大半にiPadを貸与しており、Web会議のためにパソコン用のカメラやマイク等の周辺機器の調達は不要であった。
むしろ課題は、ツールとしてどのようなアプリの採用するかである。
当初はZoomが良いかなと考えていたが、セキュリティーに問題があるとの指摘を受けることとなり、取り止めた。
ビジネスは信用が第一。
社内ならともかく、取引先との打ち合わせもWeb会議で行うとなると、信頼性が危ういアプリを使用する訳にはいかない。
特にWeb会議は、相手がいて成立する。
相手との間で「リスクがあるとされるアプリを使うことはできない」という思いが先行してしまう。
次に俎上に載せたのが、Teamsだ。
Teamsは言わずと知れたマイクロソフトの製品である。
大御所のExcelやWordと比べると影は薄いが、これまでにも文字ベースの会議やチャット使い込んできた実績があった。
手っ取り早く進めるには、このTeamsでWeb会議を始めることが可能だったのだ。
ただマイクロソフトが世界規模の大企業だからだろうか、利用してみると要所要所で「使えるものなら使ってみろ」的な横柄さを感じてしまう時がある。
今回もiPad版Teamsで、Web会議を始めるためのボタンが簡単に見つけられなく、往生した。
Windows版にはちゃんと開始ボタンがある。しかしiPadでは、そのボタンが分かりやすく配置されていない。
あちこち探して、やっと見つけることができたのだ。
また職場が同じマイクロソフトのOffice365を使っている関係で、Teamsでログインする際に、ファイアーウォールによるアカウント認証の制限がかかってしまう。そのために外出してiPadを使う場合には、VPN(仮想専用回線)が必要となる。
調べてみると、職場で利用しているWindows版のVPNは、iPadでは使えないことが分った。わざわざこの為に他のVPNを探すのも面倒だ。
Teamsは価格が無料であり、迅速にWeb会議を構築することは容易なのだが、「価格が無料ということは、サービスも無料」という格言もある。
仕事で展開しようとすると、このような隠れたハードルに躓くかもしれない。
そして最後に候補としてあがってきたのがWebexである。
Webexは、アメリカの大手通信機器メーカー・シスコ社の製品だ。
前世紀末のLAN勃興期には、パソコンに設置するLANカードの調達先として、シスコ社製品には随分とお世話になった。
旧交はすぐに暖まるもの。
取引先での使用していた実績もあり、最終的にWebexに決めた。
さらに検討時に、折りよく「90日間無償支援プログラム」が展開中で、思う存分に試すことができた。
この無償支援プログラムは2020年5月31日で終了してしまったが、現在では1回あたりの利用時間が50分限定の無料版がリリースされている。
正規ライセンスを購入して3ヶ月経過した。
今では誰もが普通にWeb会議を行っている。
アフターコロナの中にあって、この流れは止まらないだろう。