2種類の感謝
感謝には恩恵的感謝(感謝する/doingの感謝)と普遍的感謝(感謝の気持ちを持つ/beingの感謝)の2種類があると言う。前者は瞬間的なもので後者は持続的なものだ。
多くの人が幸せになりたくてもなれないのは前者しかできていないからではないかと言われる。感謝できるような恩恵を日常的に受けることは難しい。だから不足や不満を感じる時間の方が長くなり幸せとは思えない。
日常の当たり前と思える小さなことにも感謝を感じることができれば、感謝の気持ちが持続し、普遍的感謝(感謝の気持ちを持つ)という継続的な状態になり、幸せを実感できるようになる。
幸せの鍵は、この「継続」にあると思う。継続する中では良いことも悪いことも起こる。感謝できることばかりではない。しかしその全体を1つの物語としてとらえ、その物語に自分なりの納得感を持つことができれば「生きている実感」を肯定することができるのではないか。
一方、第3の感謝(困難への感謝)があるとも言われる。根拠なくいきなり困難に感謝することは難しい。でも、良いことも悪いことも起こる継続の中で、自分の人生の物語に納得感を持つことができていれば、困難に面した時に、その先には良いこともある、その時にはより幸せを感じることができる(冬があって春を感じられるように)と思える。そういう経験によって人は、困難にも感謝できるようになるのではないかと思う。
幸せの鍵の一つは「継続」にある。しかしその「継続」が難しい。だから幸せになるのも難しい。「継続」を容易にするのは「仲間」の存在だと言われる。例えば恩恵的感謝も、自分独りなら機会は少ないが、仲間がいればその機会は増え、お互いの感謝をシェアすることで自分の感謝も持続し易く、少し幸せな状態になり易い。そして仲間との相乗効果により、普遍的感謝も持ちやすくなると思う。特に感謝できることが起こらなくても、小さな感謝の気持ちを持ち続けることが容易になると思う。
そして、生きることは変化することだと私は思う。季節が巡るように、さまざまな変化を体験することが生きることなのだと思う。春夏秋冬のように喜怒哀楽のすべてが変化であり、それこそが生きることなのだと思う。だから喜怒哀楽の怒哀もそのまま受けとめたい。怒哀があってこそ喜楽を実感することができるのだと思う。そしてそれらすべてを、自分が納得できるかたちで味わいながら生きたいと思う。