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無意識のちから。


無意識って聞くと、マイナスイメージが先に浮かぶのは私だけだろうか。


「無意識だからしょうがないよ」とかいうセリフ、無意識のうちに人を傷つけてしまうような切ないヒューマンドラマ。

この世界、すべて「意識」で成り立っていたらもっとシンプルだったはず。そう思ったりもする。


されど、「無意識」が世界にないわけにいかない。

「無意識」は、ときに美しい。


今の時代、意識と無意識のボーダーラインがなくなってきたと思う。

無意識を意識的に演出する時代。

シャッターをこちら側に向けたカメラを前に置いて、みんなで笑いあって話してるところを写した写真がこの前SNSに載っていた。「素材そのものですよ」という吹き出しが今にも見えそうなその笑顔は、レンズ越しのアンナチュラルな風景を逆にこっちに想像させちゃったりする。

その瞬間の必死さ、侘びしさ……それこそにリアルが投影されてるなーとか思う。


無意識は多くの場合、シャッターがない。その瞬間、シャッターを意識していない、と言った方が的確かもしれない。

その時に起こり得る化学反応というか、いい意味で「事故」というか、そういうのって、ほんとに自然で、綺麗で、ドラマチックで。それでいて、思いがけない面白さがある。なんというか、見ごたえがあるし、心の底から笑えたり、泣けたり、勇気づけられたりする。

力みすぎたらあんまり上手くいかないときがあるみたいに、自然体が持つ力って、かなりすごいものだと思う。

写真の時はうまく笑えない人でも、ふとした瞬間の笑顔がとても素敵だったりする。


ダウンタウンのまっちゃんが「ドキュメンタル」(まっちゃん主催の、Amazonプライムで配信されてるお笑いドキュメンタリー番組)のインタビューで「意図的な仕掛けよりも、誰も想定し得ないようなアクシデントが、一番の笑いを誘うこともある」っていう内容のことを言っていたのを思い出す。

因みに、「ドキュメンタル」はマジで面白いのでいろんな人に見てもらいたい。いろんな芸人が様々な笑いを仕掛けていくんだけど、アグレッシブに仕掛けたつもりが、自ら笑いのツボにはまってしまったり、何が起こるか本当にわからない、まさに「意識と無意識」の世界。おすすめ。


みたいな感じで、無意識は、ときに美しいし、面白いし、でも残念ながら、自らつくりだせない。

つくりだそうとすればするほど無意識からは遠ざかる。おもしろい。意識と無意識のはざまで生きてる私たちってなんか、面白い存在。


ときに素敵な「無意識」をもっともっと見つけたい。

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