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たっぷり野菜を使って届け!この愛情!!まさに青春の味、桃ちゃんのためのジュテームスープ(食堂かたつむり)
皆さんこんにちは👋
Yuny(ユニー)でございます💕
今回は小説『食堂かたつむり』より
💕桃ちゃんのためのジュテームスープ
を再現してみました🍳
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作品紹介
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同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりにも多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。それは、一日一組のお客様にだけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。
レシピ
今回は『食堂かたつむりの料理』(株式会社ポプラ社)より再現させていただきました。
詳しくは上記の本にてご覧ください。
編集後記
久々の小説回となりました。
一度本を読まない期間が生まれるとサクサクと読むことができず、かなり時間がかかってしまいます。
なかなか時間を割くこともできないので、読み始めも微妙だと最終的に読み切ることも出来ず…
その点、食堂かたつむりの出だしが『トルコ料理店でのアルバイトを終えて家に戻ると、部屋の中が空っぽになっていた。』『~けれどいくら確認しても、そこは、インド人の恋人と同棲していた愛の巣に間違いない。』という結構ぶっとんだスタートで興味をそそられ、最後まで読み切ることができました笑
全体感としてはとにかく緩急が素晴らしく、展開のテンポもサクサクでいいのですが、この作品が一番伝えたいとしているところは、スピードを落としつつ、丁寧に物語を紡いでいる姿がとてもよかったです。
そう、この作品の一番の売りは”料理(食)=命(生)”なのではないかと考えます。
どんなに多くのものを失っても、そして自分自身の声さえなくなったとしても、落ち込むことなく、自分の存在意義を料理人としてしっかりと示し続ける主人公倫子。その強さ、そして食がいかに偉大なるものなのかを改めて感じさせてもらいました。
また、他の命(生)を見つけることで、自分自身が満たされている姿もとても印象的で
ひっくり返っている団子虫を救出してやるだけでも、私にとっては幸福な出会い だった。鶏の生みたて卵を握って頬っぺたに当てて温もりを感じることも、朝露で濡れた葉っぱの上にダイヤモンドよりもきれいな水の雫を発見することも、竹林の 入り口で見つけたレース編みのコースターのように美しいキヌガサダケをお味噌汁 に入れて食べることも、私にはすべてが神様のほっぺたに感謝のキスを贈りたくなるような出来事だった。
何気ないワンシーンでもこうやって文字に起こすことでどれだけキラキラして魅力的な出来事なのか素敵だなとおもいました。
全てのことにまっすぐな倫子。食堂かたつむりで食事を振る舞っている際、直接喫食者の様子を見ることができず、手鏡でならばその様子を見ることができるとの描写があるのですが
映画作品などでも伏線として使われる”鏡”
鏡=真実のみを映し出す
という意味合いが込められているようで
提供して自己満足で終わらぬよう、相手を満たしてあげることで倫子の料理がすべて完成するのがここの描写でよくわかりました
倫子と熊さんとの関係も描かれていて、倫子としてはすべてを委ねてもよいところまで来ているのにもかかわらず、そこは大の大人な熊さん。しっかりと一線を引いている部分も本当に絶妙な関係性でとっても良かったです。
そしてこの作品の一番の醍醐味は豚を丸ごと一頭料理に仕上げるシーン
このシーンはかなり力が入っていて、作品の中でも一番丁寧に扱われていました。
その分どの料理も美味しそうだったし、いかに食事を頂くことは命を頂くことにつながるかという思いがひしひしと伝わってきました。
終盤のお話ではありますが是非とも読んで欲しい名場面です。
次回予告
現在次回投稿は未定となっています
予定で次第更新させていただきます!