見出し画像

泰山タイルの“色”を堪能しませんか?

1928ビル2階「同時代ギャラリー」にて令和泰山タイル展が始まりました。開催から2日目ですが多くの人にご来場いただき本当に嬉しく思います。

令和泰山タイル展のアイコン

僕が愛してやまない泰山タイル。“タイル”と言ってもみなさんがイメージする一般的なタイルとは少し違うかもしれません。泰山タイルは一般的な衛生タイルと違い、建物を彩ることを優先して作られた「美術タイル」なのです。

泰山タイルの釉薬見本帳

「彩る=色」泰山タイル最大の魅力は「色」です。その“色”を余すことなく堪能していただけるのが今回の展覧会です。

色とりどりの泰山タイル(小口)

工業製品の開発や発展の鍵を握ることの一つに技術の共有があります。建築などの現場で使われる素材には基本的に規格があります。タイルに近くイメージし易い物はレンガです。国内生産レンガのサイズ規格は8種類のみ。そのサイズ規定は日本工業規格(JIS)によって寸法が定められております。

タイル業界もほぼ同じパターンです。新しく開発された技術は業界で広く使えるよう共有されています。

しかし泰山タイルの色は釉薬技術の開発を得意とした「池田泰山オリジナル」のもの。他社が開発した物は一切使わず、また他社にも基本的に(※1)共有しませんでした。そう独自の路線“我が道”を突き進んだのです…。笑 (※1:限られた期間、泰平タイルに釉薬技術の提供を行った記録が残る。)

集成モザイック用に作られた薄型タイル

泰山タイルの釉薬色は泰山製陶所の独自開発で全てオリジナル。そのネーミングも一線を画していました。また釉薬を調合するレシピは秘伝であり、今も池田泰山の孫、池田泰佑さんのみが知る秘技です。

ただし泰山タイルの色は泰山製陶所がまとめた資料で全てきちんと確認が出来ることも注目したい事実です。

ちなみに僕が開催する勉強会や見学会で毎回口を酸っぱくして言っていることの一つがそれです。泰山タイルには規定の色があります。つまり泰山製陶所がまとめた資料に色が無ければ、泰山タイルではありません。

一つ注意する点は、これはタイルに限ったことであり、泰山製陶所で作られたその他の製品には“当てはまらないこともある”と言うことです。泰山製陶所の青色系釉薬の名前は「あお」と読み「せい」とは読まない。っと言うことを言う人がいますが、それは間違いです。「青磁(せいじ)」と言う一般的な読み方をする釉薬も開発され使われています。ただし泰山製陶所オリジナルの「青磁」だと言うことを忘れてはなりません。

釉薬見本帳・上段
釉薬見本帳・下段

泰山タイルの色は泰山タイル最大の魅力であり、泰山タイルの謎を解く最大のポイントでもあるんですね!

そんな泰山タイルの色をご自身の目で間近で見て、触って、感じて頂けるのが、何を隠そう現在開催中の「令和泰山タイル展」なのです。

この“触って”と言う点は、あのLIXILが運営する「世界のタイル博物館」や、タイル生産の聖地「多治見市モザイクタイルミュージアム」でも無理なこと。

タイル好きさんはもちろん、建築や陶磁器が好きな人、はたまた全く興味のない人でもタイルを身近に感じていただけるのが令和泰山タイル展です。是非この機会に足を運んで頂けると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!


「令和・泰山タイル展」「池田泰佑 陶製モザイク展」同時開催

会期:2024年11月4日(月祝)〜11月10日(日)
会場:同時代ギャラリー (1928ビル2F)
時間:12:00~19:00 (最終日は17:00迄)
入場チケット:1,000円
主催:令和泰山事務局(中村タイル株式会社)

令和泰山タイル展チラシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?