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泰山半端ないって!!「辰砂釉の魔力」

おかげさまで令和泰山タイル展は4日目を無事に終えました。連日たくさんの人にご来場を頂いております。驚くほど熱心な方ばかりで主催者一同圧倒されております。ありがとうございます。

さて今日は、この令和泰山タイル展にご来場頂いた方みなさんが必ずと言っていいほど魅了される「辰砂釉」についてご紹介したいと思います。

「辰砂釉」と言えば「泰山タイル」、「泰山タイル」と言えば「辰砂釉」、と言えるほど泰山タイルとは切っても切れないのが「辰砂釉」です。

泰山タイルの辰砂は「赤辰砂」と呼ばれる

辰砂釉とは銅を成分とした釉薬です。焼成の際、還元焼成(酸素を抜く)し、同時にある一定の温度まで温度を上げることにより「赤紫色」が発色します。よく鉱物の辰砂と混同されがちですが別物なので注意が必要です。焼き上がった陶磁器の色が鉱物の辰砂と似ていたところからその名が引用され呼ばれるようになりました。

日本の陶磁器研究の最盛期だった大正から昭和初期にかけ活躍した陶工たちは、いかに美しい辰砂釉の色を出すことが出来るか、ある意味、陶工たちの“永遠のテーマ”でもありました。

その陶工たちの中でも池田泰山は辰砂釉の色に特別なこだわりを持っていた一人です。泰山は同時期に活躍した河井寛次郎やその師匠である小森忍と辰砂釉の色に関し夜な夜な激論を交わしていたと言う逸話も残っています。

泰山の最高傑作「大花瓶」

その他にも濱田庄司やバーナードリーチなど、時代を代表する陶工たちが泰山の辰砂釉の色に影響を受けていました。それほど泰山の辰砂釉の色は特別で美しかったのです。

その泰山の辰砂釉の色を100%…いや、200%、見て、触って、体感して頂けるのが、そう現在開催中の「令和泰山タイル展」です。もう少しラフな言い方をするなら「泰山半端ないって!!」です。笑

京都タワーに使われていた辰砂釉タイル
集成モザイックの最も重要な部分に辰砂釉が使われている

ちなみに、なぜこれだけ泰山タイルの辰砂釉が半端ないのか。それは池田泰山は辰砂釉を一番美しく輝かせる方法(焼成レシピ)を知っていたからなんですね。

今回の展覧会では、その泰山タイルの秘技でもあり、現在は池田泰佑さんしか知らない辰砂釉焼成のレシピを、な、ななな、なななななんと、展示で公開しております。秘技“辰砂の花が咲く”とは一体どう言うことなのでしょうか?

焼成温度によって辰砂の色が変化する

時の首相や有力者、さらには天皇、海外王室、ラストエンペラーまでも魅了した「泰山の辰砂釉」には“魔力”とも称される不思議な力を持っていたと言われています。

っと言われているではない、正真正銘「泰山タイルの辰砂釉」を是非この機会に堪能して頂けると嬉しいです。ご来場を心からお待ちしております。

辰砂釉がふんだん使われた裸婦像「潮」

「令和・泰山タイル展」「池田泰佑陶製モザイク展」同時開催

会期:2024年11月4日(月祝)〜11月10日(日)
会場:同時代ギャラリー (1928ビル2F)
時間:12:00~19:00 (最終日は17:00迄)
入場チケット:1,000円
主催:令和泰山事務局(中村タイル株式会社)

会場の1928ビル地下1階「アンデパンダン(カフェ)」には、泰山タイルの辰砂釉が一面に張られた泰山タイルの聖地です。またVIPルームには、さらに特殊な焼成レシピを用いた「青辰砂釉」のマントルピースも。泰山タイル好きなら個室利用料を払ってでも見たい唯一無二の逸品です。

アンデパンダンの腰壁タイル

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