「父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」 ヤニス・バルファキス

「父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」 ヤニス・バルファキス を読んだ。

雑感

前半は、人類が経済社会に突入するまでに至る、歴史的な背景が語られています。ここら辺は、「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ)と重複する部分が大分ありますね。ある意味、多くの学者さんの間で意見が一致している証拠でしょうか。メソポタミア時代に初めて貝をお金として扱うようになった経緯は、いい復習になりました。

この本の特色は、著者がギリシャ人故か、ギリシャ神話を基にたとえることが多いです。

マーロウによる「フォースタス博士の悲劇」とゲーテによる「ファウスト」を比較して、時代を経るとともに人々が借金に対して寛容になってきたことを見事に説明しています。

上記のように経済の事項を詩的に語っている部分も多いのですが、一方で世界のお金の流れ、経済の理屈をシンプルに明確に説明している箇所もあります。

たとえば、4章の「「金融」の黒魔術」です。金持ちと銀行、中央銀行、政府との持ちつ持たれつの関係が非常にわかりやすく書かれていました。この章だけでも、経済について苦手意識がある人には読む価値があるかと思いました。

オススメ度 ⭐️⭐️⭐️⭐️






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