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#人工太陽
「金連花 ~ナスタチウム~」 管野月子
節くれだった皺だらけの指を開いて、同じように皺だらけの小さな粒を二つ三つと差し出した。大きさは小指の爪より一回りか二回りほど小さい。
爺さんは所々歯が抜け落ちた口元をニッと開くと、今まで何度となく繰り返してきた言葉をこぼした。
「金連花……ナスタチウムの種だよ」
「軽石の欠片のようね」
「石のように見えても種だよ。ちゃんと、ここから緑の芽が出てくる」
「いつ?」
そう言って、瞳を細めて問
節くれだった皺だらけの指を開いて、同じように皺だらけの小さな粒を二つ三つと差し出した。大きさは小指の爪より一回りか二回りほど小さい。
爺さんは所々歯が抜け落ちた口元をニッと開くと、今まで何度となく繰り返してきた言葉をこぼした。
「金連花……ナスタチウムの種だよ」
「軽石の欠片のようね」
「石のように見えても種だよ。ちゃんと、ここから緑の芽が出てくる」
「いつ?」
そう言って、瞳を細めて問