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#小説

月の涙と星のカケラ

月の涙と星のカケラ

部屋の電気を消すと、天井にプラネタリウムが広がる。
ベッドに仰向けになると、私はその手作りのプラネタリウムをじっと見つめ、それから数十秒後、静かに目を閉じた。

今夜の月は三日月だった。
今にも折れてしまいそうなほど、か細い三日月を思い浮かべて、私は天井に向かって、そっと両手を伸ばす。

身体ごと、宙に浮かぶ感じがしたところで、ゆっくりと目を開けると、私は三日月に腰を下ろしていた。

そのまわりに

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名前の知らない君の背中を追いかけて

「待ってよ」

 声を張り上げる。けど、お前は振り向いたことなんてない。

 お前は、何時だって、先に行く。

 僕と同じ道を歩いているのに、僕が通るべき道なのに、お前はいつもいつも僕の前を歩いている。

「ねぇ、待ってってば」

 止まらない。こんなに声を張り上げているのに。

 お前は、何時だって、そうなんだ。

 得意にもならず、それがさも当然のことのように、僕が選ぼうとしたものを平然と先に

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