見出し画像

「グラレコ本を作ろう!」-内諾編-

 2021年の春以降に、有廣編著でグラレコに関する本を出版します。共著者は、30人以上。ここまで来るまでの道のりはとても大変だったけど、必要で大事なプロセスだったのかもしれないと思い、その長いプロセスを丁寧にハーベストしたいなと思い、今回はnoteにまとめて残しておこうと思います。

 本を作るプロセスって面白いな思って、日々勉強です。 

 前回は、企画編でしたが、今回は共著依頼の内諾編!

一人一人とまず話す:執筆依頼する

 学芸出版社さんの社内会議で企画の決裁が下り、無事共著の方々に執筆依頼をできるまでになりました。
 一緒に本を作りたい!と思った方々と約30人近くに、私は少しずつ連絡を取り始めました。一人一人とzoomでつなぎ、書籍の企画を伝え、執筆してもらえるかどうか、不安な点はないか、どんな内容だと執筆できそうかなど、原稿執筆に関してできる限り丁寧に確認を取りながら、内諾を取っていきました。不安、期待、喜び、疑問、やりたいこと、それぞれの声を聞いていきながら、本の企画の中にこの人たちの実践が含まれるように岩切さんと調整していきました。
 この時期は、正直結構プレッシャーで押し潰されそうでした。「この企画を好いてもらえなかったらどうしよう」「依頼を受けてもらえかったらどうしよう」「ダメだったらどうしよう」など、常に不安とプレッシャーがありました。それもそのはず。共著依頼をしているほとんどの方々が、私の年齢が上。日本の文化の中にいる私にとっては、「目上の人へ失礼がないように」と教わってきているからこそ、失礼がないように、気分を悪くさせないように、依頼を受けてもらえるようにと神経を尖らせていたのだと思います。

相手への思いやり溢れた言葉:共著の方々に救われる

 プレッシャーや緊張で気持ちが大変なことになっていた私に、色んな方々が思いやりに溢れた言葉をくださいました。

「大変だと思うけど、これを超えたら何かあるかもしれないね」
「休んでる?無理はしないでね」
「これはとても大事なことをしているんだね。すごいチャレンジだ!」
「何かあったら手伝うから言ってね」

 一人一人の頭を下げ、どうぞよろしくお願いします!と伝えてお願いをする中で、みなさん優しい言葉をかけてくださいました。
 なかなか私の動きが遅くてご迷惑をかけることもありましたが、「よくやってるよ」とねぎらいの言葉を下さったり。

緊張とプレッシャーでガチガチでしたが、言葉がけをしてくださる方の言葉の優しさに癒され、たくさんの愛情を共著の方々から受け取った期間でもありました。(まぁ、それだけ企画が大変だったのですが笑)

あなたの本には共感できない:共著依頼を断られる
 

 共著依頼の途中では、もちろん共著依頼を断られることもありました。
 何人かは本当にこの書籍の本に掲載したいなと本気で思っていたので、残念でした。しかし、共著依頼を断られた方々がおっしゃられていたのは、「この企画に共感はできないけど、あなたがここまでやってきたことをお祝いはするよ」ということ。
 他にも、「私は今これを頑張りたいから」というご自身の前向きな動きのためのお断りの内容でした。
 断られることは残念ではあるけど、お互い前向いて、別の方向は向くかもしれないけど、頑張りましょうというポジティブな別れでした。
 

 ここで私が思うのは、「相手のお願いを断る」ってとても相手の人柄が出るなと思います。企画には賛同できないけど、あなたの頑張りはお祝いするというその人自身を否定はしない断り方。自分はこれを頑張りたいというポジティブさ。相手の敬意の払い方は、それぞれ違いましたが、とても素敵だなと思いました。お断りして下さった方々の優しい人柄が垣間見れて、私はよりその方々を好きになりました。

違いを受け入れ、共に在ること

 生きていたら、色んな人に会いますし、色んな考えにも遭遇します。
 グラフィックを扱う人たちの間でも、色んな考え方があり、色んなやり方があります。そんな中で派閥を作るのも、流派を考えるのも私はとても苦手。
(そりゃ、私も人間なんでたまに苦手な人はいますけどね笑)
 ファシリテーションをする上で、そこに参加している一人一人が主体的に場に参加するように仕掛けるために、私はファシリテーションをする際に「そこに参加しているそれぞれの人の価値観を尊重する」ということを意識することがあります。
 人種、肌の色、言語、文化など目に見えて違うものもありますが、そもそも人はみんなそれぞれ違います。
 「その違いを受け入れ、共に何ができるのかを考える」のが私にとっては大事な価値観なんだなと感じています。 
 それぞれの良さを知っている私は、共著のみなさんが活かされるような多様な土壌を本を通して作りたかったのかもしれません。

 (でも、こう思うのは、なんでもありのごちゃ混ぜ大阪、国際色豊で多様な人がいる神戸、そして古き良き文化を残しながら本質を捉える京都、こんな関西にいるからなのかもしれないなとも思ってます。)

 内諾のプロセスは、一人で仲間集めをしているような気分で心細く、(実際は仲間にとても助けてもらいましたが)、不安やプレッシャー、緊張の連続でした。ただ、共著のみなさんに温かい言葉をたくさんいただき、何より「一緒に良い本を作ろう」と思えたこと嬉しかったです。「一人じゃない」と思えることが私に書籍出版の勇気と希望を与えてくれました。

----

次は私たちの実践を聴き合う会編!
あったかい季節が恋しい、春よ来い!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?